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2025/2/4

【ウレタン】第一工業製薬、常温硬化可能な2液混合型熱硬化性ウレタン樹脂を開発

 第一工業製は、加熱プロセスを必要としない2液混合型(※1)硬化ウレタン樹脂を開発した。同開発品は、常温で硬化するウレタン樹脂としては、非常に高いガラス転移温度(※2)(Tg)と高い曲げ強度を持つ。電子・情報材料、車載材料、建築材料など、さまざまな分野でカーボンニュートラルに貢献する材料として活用が期待できる。

着色剤を配合し自作型に流して常温で硬化させたウレタン樹脂硬化物

 近年、CO2排出量の削減をはじめとするカーボンニュートラルをめざす取り組みが世界中で広がっている。この動きにともないエネルギー使用量を削減する技術や製品に対するニーズが高まっている。同社は、長年培ってきたウレタン設計技術を駆使し、新しい材料開発を進めてきた。今回開発したウレタン樹脂は、加熱プロセスを全く必要とせず、常温で硬化する。これにより、エポキシ樹脂に匹敵する物理特性を持ちながら、エネルギー使用量を大幅に削減することができる。

 同開発品は、常温で硬化させた場合(※3)でも約150℃の高いTgや、室温で約80MPaの高い曲げ強度(※4)を有することが特長である。これは、高温環境や負荷に強い特性を持つことを示している。この特長を生かして、強度の必要な箇所、特に熱源付近の材料への活用が期待できる。2024年10月より、この常温硬化可能なウレタン樹脂の紹介を開始した。今後は半導体や電池などの電子・情報分野、エンジン周りなどの車載分野、構造用接着剤などの建築分野を中心に、2027年の採用、2030年度には売上高10億円をめざす。

(※1) 2液混合型ウレタン樹脂:ポリオール成分とイソシアネート成分の2種類の液体を混ぜて作製するウレタン樹脂のこと
(※2)ガラス転移温度(Tg):分子の動きが制限された硬質のガラス状態と、分子が運動しやすい軟質のゴム状態の境目の温度のこと。一般的にはTg以下の温度ではガラス状態、Tg以上の温度ではゴム状態を示す。ウレタン樹脂はゴム状の柔らかい硬化物が多く、エポキシ樹脂のようにガラス状の硬い硬化物は少ないのが一般的である。さらに高いTgを持つものはほとんど見られない
(※3)常温で硬化:ウレタンやエポキシなどの反応性樹脂は、求める性能を十分発揮するためには、通常、加熱して硬化させる必要がある
(※)4曲げ強度:樹脂の試験片を曲げて折るのに必要となる力のこと

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