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2025/6/4
【ケミカルリサイクル】JEPLANと太陽誘電、MLCC製造工程で使用するPETフィルムをBHETに再生
JEPLANと太陽誘電は、積層セラミックコンデンサ(MLCC)の製造工程で使用するPETフィルムをケミカルリサイクル*1により、PET原料であるBHET*2に再生する取り組みを実施する。
MLCCの製造工程では、誘電体シートを形成する際にPETフィルムが使用されている。この取り組みでは、JEPLANのケミカルリサイクル技術を活用し、使用済みPETフィルムを化学的に処理することで不純物を除去し、PET製品に再利用が可能な石油由来と同等品質の高純度なBHETが得られることを確認た。両社は、ケミカルリサイクルによるPETフィルムを循環する取り組みを2026年より順次導入する予定。
*1 使用済みのプラスチックなどを化学的に分解して、原料レベルにまで戻し、再び新しい製品の原料として再利用するリサイクル方法
*2 BHETは、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートの略。PET樹脂製造時の中間原料でモノマーの一種

MLCCの製造プロセスには、PETフィルム上に誘電体を塗布し、薄く均一な誘電体シートを形成する塗工工程がある。従来、使用済みPETフィルムのリサイクルは、表面に付着した誘電体などの不純物を機械的処理にて除去し、粉砕してペレット状のPET原料に戻すマテリアルリサイクルが実施されていた。
MLCCの製造工程で排出されるPETフィルムをケミカルリサイクルすることで、フィルムに含まれる添加物などの不純物も除去できるため、石油由来と同等品質のBHETへと再生できることが確認できた。このBHETを原料としてPETフィルムをはじめとするさまざまなPET製品に幅広く活用することで、PET原料の資源循環に両社で取り組んでいく。
JEPLANは、独自のPETケミカルリサイクル技術を活用し、使用済みのPETボトルなどを分子レベルまで分解し、色素や金属などの不純物を取り除くことで、石油由来と同等品質の再生PET樹脂にリサイクルしている。これにより、新たな地下資源の使用を削減し、CO2排出量の削減にも貢献*3している。さらに、既に商用展開しているPETボトルやポリエステル繊維のリサイクルに加え、PETフィルムや化粧品容器など、その他のPET製品もリサイクル原料として活用する取り組みを推進している。同スキームを通じて、循環可能なPETの総量を増やし、資源を有効活用することで持続可能な社会の実現に貢献していく。
*3 JEPLANホームページ「サステナビリティ」:https://www.jeplan.co.jp/sustainability/
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