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2025/4/13

【デジタルプロダクトパスポート】帝人グループ、欧州の環境規制に準拠したDPP対応製品展開

 帝人グループは、欧州地域の環境規制の1つである「持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)」に準拠した製品の展開に向けて、2024年11月にオランダのIT企業Circularise B.V.(以下、サーキュライズ社)に出資をしており、このたび、同社のシステムを用いて、デジタルプロダクトパスポート(*)に対応したアラミド繊維と炭素繊維の展開を開始した。
(*)デジタルプロダクトパスポート(DPP):製品がいつ・どこで・どのような素材を用いて製造・使用・廃棄されたのかを網羅的に記録したデジタル証明
 欧州で導入が広がるESPRは、EU市場内で流通する多くの製品に適用される規則で、持続可能な製品に関する情報提供の改善を定めた規則。2024年7月、ESPRの改訂に伴い、EU市場では各業界の製品に対して段階的にDPP対応の義務化が予定されている。
 将来的には、繊維などへのDPP対応の義務化も予定されており、業界をリードして環境負荷低減に資する製品の展開を目指す帝人グループは、サーキュライズ社のシステムを活用し、DPP対応製品の展開を順次進めている。このたび、アラミド繊維と炭素繊維
の一部製品においてDPPに対応した製品の展開を開始したことに伴い、当該製品を用いた実証の内容を公開した。
■アラミド繊維:使用済み最終製品から製造したリサイクル製品のDPP事例
 アラミド事業では、回収した使用済みの最終製品からアラミド繊維を取り出してパルプ状にリサイクルした製品のトレーサビリティを公開した。ユーザーはDPPを閲覧することで、海運向けロープなどを展開するハンプジャン社(アイスランド、レイキャビク市)が手掛ける、重量物運搬用の吊り具からリサイクルされた製品であることが確認できる。
 また、同吊り具に帝人が展開するパラ系アラミド繊維「トワロン」が使用されていることや、「トワロン」の原料を遡って確認することも可能。

リサイクル製品のDPPが閲覧できるQRコード

■炭素繊維:帝人グループの炭素繊維短繊維を用いて顧客が製品を製造した場合のDPP事例
 炭素繊維事業では、顧客が帝人グループの炭素繊維短繊維「Tenax Next R2S P513 6MM」を用いて、自転車のタイヤを着脱する際に用いるタイヤレバーを製造したと仮定した場合のトレーサビリティを公開した。ユーザーは、DPPを閲覧することで、タイヤレバーの素材が炭素繊維短繊維であることのみならず、炭素繊維の製造工程で発生した端材由来の炭素繊維短繊維であることも遡って確認することが可能。

タイヤレバーのDPPが閲覧できるQRコード

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