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2025/3/13

【デジタル印刷機】HP、革新的な印刷ソリューションを発表

【HP (本社:カリフォルニア州パロアルト)2025年2月24日現地時間発表】HPは、スイスで開催された「Hunkeler Innovationdays 2025」(HID)において、業界をリードする最新のデジタル印刷ソリューションを発表した。デジタル印刷市場が進化を続ける中、HPは企業に新たな機会をもたらすイノベーションに注力し、デジタル印刷機「HP Indigo」と「HP PageWide」シリーズに新たなソリューションを投入する。

 HPは、2つの革新的ソリューション「HP Indigo LEP (湿式電子写真) 」と「HP PageWide サーマルインクジェット」により、商業印刷業界に変革をもたらしている。統合型ソフトウェアとサービスエコシステムを基盤にしたこれらの先進ソリューションが、効率性、印刷の汎用性、アプリケーションの多様性における新基準を打ち立てた。HPの産業印刷ポートフォリオにおいても、「HP Indigo LEP」と「HP PageWide サーマルインクジェット」により、印刷事業者に適切なテクノロジーを提供し、各印刷ジョブに適した印刷機の割り当てと、品質、コスト、スピードの最適化を可能にする。 

 HIDでHPは、先進技術によるデジタル印刷製造の新たな基準として、展示会において業界最速となるエンドツーエンドの書籍製造ソリューションにより白紙の巻取用紙から1時間750冊の書籍を製本するデモを行った。このデモでは、HP IndigoおよびHP PageWideテクノロジーと、 AI技術を駆使して、印刷機や加工機の稼働データをリアルタイムに収集・分析・判断し、システム連携して最適な行動を推奨する HPのインテリジェントオートメーション機能を活用して行われた。

 HP Industrialのシニアバイスプレジデント兼事業部長であるハイム・レヴィット(Haim Levit)氏は次のように述べている。「HPは、自動化、効率性、シームレスな統合を通じて商業印刷の未来を再定義します。これにより、さらにスマートで高速かつ適応力の高いソリューションを企業に提供します。HPの使命は顧客に最新鋭のテクノロジーを提供し、あらゆる印刷ジョブを正確に、安定的に、拡張性をもって実行できるようにすることです。HPは、デジタル印刷機のポートフォリオ全体にインテリジェントオートメーション機能を標準で装備することで、業務効率を向上させるだけでなく、印刷業界における品質とイノベーションの新基準を確立していきます」。

〈HP Indigoデジタル印刷機、次世代の持続可能なサプライ製品の採用で生産性を向上〉

 HPは、 デジタル印刷の持続可能性と生産性を高めるべく設計された、次世代のサプライ製品を提供する。この画期的なサプライ製品パッケージ(*1)により、HP Indigoデジタル印刷機の導入企業は廃棄物やCO2排出量を削減すると同時に、 LEPテクノロジーの定評ある印刷品質を損なうことなく、オペレーターの作業負荷を軽減し、時間とスペースを節約できる。

 主な革新技術には、インキ固形分濃度を高めるなどの新たな改良を加えたCMYK+、2つの主要層に新たな組成を施した感光体(PIP+)、再生イメージングオイル(RIO)、インクキャリアの印刷機内リサイクルシステムを含む。新パッケージを通じてCMYK+やPIP+の交換頻度を低減することで印刷機の可用性が高まり、月に最大で約6時間節約できるため、より多くの時間を収益の高い印刷業務に使うことができる(*2)。新しいサプライ品パッケージを使用することにより、標準のHP Indigoデジタル印刷機において平均的ジョブに使うサプライ品由来の炭素排出量を、最大16%削減できる(*3)。

 HP Indigoのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるノーム・ジルベシュタイン(Noam Zilbershtain)氏は次のように述べています。「HP はお客様の成功に注力しており、持続可能性を念頭に置き、常に印刷機の生産性と性能を高めるための新たな方法を模索しています。排出量削減は、私たちにとってもお客様にとっても重要な課題です。HPがサプライ品に施した改良は、ここ数年で最も意義深い進歩であり、お客様の印刷機の稼働時間の最大化、廃棄物の最小化、運用コストの削減に大きく貢献するものです」。

〈世界中の顧客の期待に応えるHP Indigo 120K デジタル印刷機およびHP Indigo 18K デジタル印刷機〉

 2024年3月、HPは「HP Indigo 120K デジタル印刷機」と「HP Indigo 18K デジタル印刷機」を発表した。生産性、経済性、オフセット印刷品質、ならびに自動化を強化し、生産現場全体のデジタル化を実現する、組込みのAIベースのソリューションとともに、汎用性を新たな高みへと押し上げる。これらの製品を発表してから1年足らずで、顧客は付加価値の高い商業用途におけるメリットを実感している。HPは、AIを活用したツールによる中断のないノンストップ印刷と高い汎用性を実現するこの次世代B2デジタル機2機種を市場に投入することでユーザーを支援し、他社と差別化することに成功した。

 ドイツの印刷およびメディアサービス企業であるLimego社は、HP Indigo 120Kデジタル印刷機をいち早く導入したベータカスタマーである。新しいデジタル印刷機を導入して以来、Limego社はすべての製品を社内で製造できるようになり、大ロット印刷を社外のオフセット専門業者に外注する必要がなくなった。Limego社の取締役、ディルク・ラインハルト(Dirk Reinhardt)氏は次のように述べている。「HP Indigo 120Kデジタル印刷機のベータテストにより、Limegoにおけるビジネスのやり方が大きく変わりました。Limegoは、革新的なデジタル印刷機のスピードと生産性のおかげで、オフセット印刷に匹敵する品質で、すべてを社内で生産することができます。使いやすさと確かな品質で、1日に何百ものジョブをこなすことができます」。

〈柔軟性と生産性が強化されたHP PageWide Advantage 2200〉

 「HP PageWide Advantage 2200シリーズ」に、より小型でコスト効率の良い構成モデルを新たに導入する。新しいモデルは、シングルゾーンの乾燥システムとパッシブウェブ冷却モジュールを備え、上質紙とコート紙への多種多様なモノクロ印刷やフルカラー印刷を効率的に行える。

 主に上質紙への印刷を手掛ける印刷事業者は、オフセット印刷用コート紙を用いて高付加価値な商用印刷へとサービスを拡大できる。「HP PageWide Advantage 2200シリーズ」は、印刷の総費用を最適化するだけでなく、新たに追加された「パフォーマンスエコノミーカラー」印刷モードにより、カラー印刷ジョブを毎分244メートルまで高速化できる(*4)。モジュラー式プラットフォーム上に構築されているため、乾燥システムやウェブ冷却システムを追加してアップグレードすることで、ビジネスの成長に応じて生産能力を拡張できる。

 HP PageWide Industrialのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるバーバラ・マクマナス(Barbara McManus)は次のように述べている。「モジュール式のHP PageWide Advantage 2200の柔軟性は高く評価されています。印刷事業者は、顧客のニーズと自社の成長志向に合った印刷ソリューションを提供できます。パッシブなウェブ冷却を備えた新しいシングルゾーン乾燥システムにより、より多くの企業が、多様な印刷アプリケーションに対応できる統合型プラットフォームを導入し、容易なアップグレードにより、付加価値の高い印刷で競合他社との差別化を図ることができるようになりました」。

〈HP PageWideサーマルインクジェット、2倍の生産性により新たな道を拓く〉

 HPは、2025年2月にグローバルで発表した「HP PageWide T4250 HDR」および「HP PageWide T500M HD」の最初のベータカスタマーとしてSG360社を発表した。SG360社はすでに、新しい印刷機導入による具体的なメリットを実感している。米SG360社のCOO、ケヴィン・ヒューズ(Kevin Hughes)氏は次のように述べている。「SG360社は、フルデジタル印刷の導入を推進しています。所有しているHP PageWideや複数のHP Indigo 100Kデジタル印刷機に加え、HP PageWide T4250 HDRを追加導入し、その卓越した生産性と印刷品質に、とても満足しています。強力なテクノロジーパートナーであるHPと築いてきた信頼関係を礎に、この42インチのプラットフォームが、SG360社のデジタル印刷と顧客へのサービス拡大に向けて、トップクラスの生産性と経済性を実現してくれると考えています」。

〈HIDにて、 LEP印刷とTIJ印刷を活用した最速の統合型書籍製造ソリューションを実演〉

 HIDの会場で、HPはインテリジェントオートメーションプラットフォーム「PrintOS」が制御する画期的な完全統合型書籍製造ラインのデモを行った。その高いスループットと生産量は、HPの産業用デジタル印刷技術の優位性を示している。この完全に統合された印刷生産ラインのライブデモが展示会で公開されるのは初めてで、出版やダイレクトメールのほか、オンデマンド印刷、グリーティングカード、フォトブックなど、多種多様な商業印刷事例を紹介した。これらのソリューションは、HP Site Flow、HP PageWide Smart Workcell Controllerによるニアラインインテリジェントオートメーションのほか、Hunkeler、Harris & Bruno、Muller Martini、IDEAL、Movigo、Spencer Metrics(*5)といったパートナーのテクノロジーを活用している。会場では1時間あたり750冊の製本デモを行うが、最大2,000冊の本を製造する性能がある(*6)。

 印刷事業者 は、よりスマートなワークフロー、シンプルなオペレーション、データに基づく意思決定を実現すべく、インテリジェントオートメーションを活用しながら生産現場を再構築している。デジタル変革は、印刷事業者がより効率的な事業拡大、革新的なサービス提供、進化する市場の要求への適応を行えるよう支援し、ますますデジタルファーストになる市場において長期的な競争力をもたらすと見られる。

*1:提供開始時期は、製品や地域によって異なる
*2:前世代のCMYK & PIPとCMYK+ & PIP+を比較したベータ試験に基づくデータ。数値は印刷機の機種、AMPV、およびライフスパン性能に応じて異なる場合がある
*3:HP Indigoシリーズ4の印刷ジョブ炭素排出量計算ツールに基づき、主要サプライ品の消費量とドイツ拠点への輸送を含む
*4:パフォーマンスエコノミーカラー(EC)モードでは、時間のかかる上質紙へのカラー印刷ジョブを毎分244メートルまで高速化できる。HPの革新的な高効率ドライヤー(HED)により、厚いコート紙への高カバレッジ印刷を最高速度毎分152メートルで実行できる。上質紙への2色カラー印刷の場合、U.S.レターサイズで月間9000万枚、A4サイズで8500万枚まで印刷可能。オフセット用コート紙への2色カラー印刷の場合、U.S.レターサイズで月間6200万枚、A4サイズで5800万枚まで印刷できる
*5:HP PageWide Advantage 2200のインラインでの印刷速度は最高で毎分244メートル。BD8を搭載したHunkeler StarbookとMueller Martini Vareo Pro製本ソリューションとの統合、さらにはPrintOSとブース内パートナーであるSpencer Metricsによる生産設備のリアルタイム監視により、1時間あたり最大850冊生産できる。
*6:毎分244メートル、毎時752 冊(2アップ印刷)。毎分200メートル、毎時815冊(3アップ印刷)

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