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2025/4/14

【バイオマスPC樹脂】帝人、シグマのカメラ用交換レンズの筐体に採用

 帝人が展開するバイオマス由来のポリカーボネート樹脂(バイオマス PC樹脂)が、デジタルカメラなどの光学機器を展開するシグマのカメラ用交換レンズの鏡筒(*1)の一部に採用された。バイオマス PC 樹脂を用いた鏡筒で構成されたカメラ用交換レンズは、今年度の上半期中に販売開始される予定。
(*1)鏡筒:カメラ用交換レンズの筐体で、カメラレンズを支持して、焦点の調節や外光の遮断を担う筒状の部品。

バイオマス PC 樹脂を用いたカメラ用交換レンズ

 シグマは、レンズおよびカメラの製造販売を行う 1961 年創業の光学機器メーカー。神奈川県の本社および唯一の生産拠点である福島県の会津工場を拠点に、サプライチェーンを含めたすべての生産活動を日本国内で一貫して行っている。85カ国以上の国・地域で展開しており、製品に用いる素材の選定から開発・設計・製造工程に至るまで、環境負荷の低減に配慮した技術を積極的に採用するなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めている。
 シグマのカメラ用交換レンズの鏡筒の一部には、石油由来の PC 樹脂が使用されているが、このたび、石油由来の PC 樹脂に代わってバイオマス PC 樹脂が採用された。採用されたバイオマス PC 樹脂は、持続可能な製品の国際認証のひとつである ISCC PLUS 認証に基づいたマスバランス方式(*2)を適用している。バイオマス PC 樹脂は、原料であるバイオマスナフサ由来のビスフェノール A(BPA)が、石油由来の BPA と同等の物性であることから、石油由来の PC 樹脂と同等の物性を有している。そのため、鏡筒に用いる素材のスムーズな切り替えを可能とし、早期の製品化を実現した。

(*2) マスバランス方式:原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)とそうでない原料(例:石油由来原料)を混合させる場合に、特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対し、その特性の割り当てを行う手法
出典:環境省、経済産業省、農林水産省、文部科学省「バイオプラスチック導入ロードマップ」(令和 3 年 1 月策定)

 帝人は、 4 月 15 日から 18 日まで中国で開催されるアジア最大のプラスチック見本市「チャイナプラス 2025」(中国・広東州深圳)に出展します。今回、バイオマス PC 樹脂を用いたシグマのカメラ用交換レンズの鏡筒も展示する。(ブース番号:17K71)

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