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2025/5/10

【ペロブスカイト太陽電池】小森コーポレーション、量産化に向けた薄膜塗工技術の開発加速

 小森コーポレーションは、ペロブスカイト太陽電池(PSC)の量産化に向けて、薄膜塗工技術の開発を強化する。
 小森コーポレーションは、PE(プリンテッド・エレクトロニクス)事業において、次世代の再生可能エネルギー技術として注目されるPSCの量産化に向け、高精度な薄膜塗工技術の開発を推進している。
 PSCはその高効率性・低コスト性・軽量性・フレキシブル性から、次世代の太陽電池として大きな期待を集めている。しかし、実用化に向けては安定した製造技術が不可欠であり、特に「大面積で均一な超薄膜を高速かつ精密に形成する技術」が課題と捉えている。
 小森コーポレーションは、これまで培ってきた精密印刷技術を応用し、この課題を解決する技術の確立を進めている。2025年第3,4四半期には、PE要素技術開発センター(PEDEC)の試験ラインを拡充し、スリットダイコーター、ロールコーター、スクリーン印刷の3種類のコーティング技術への対応を可能とする。また、2種類の乾燥機を導入することで、より高度なプロセス条件の検証が可能となる。これにより、多様なニーズに応じた試作や評価を実施できる環境が整い、さまざまなテスト要望に対応していく。今後PEDECは、オープンイノベーションを推進する場として、パートナーに利用いただけるよう準備を進めていく。
 また、フレキシブルエレクトロニクス向け装置開発技術を有する、小森コーポレーションの子会社・セリアコーポレーション(SERIA)は、山形大学有機エレクトロニクスイノベーションセンター(INOEL)と10年以上にわたり共同研究を行ってきた。特に、精密スクリーン印刷や低張力搬送技術を駆使した高精度印刷を強みとしており、薄ガラスやフィルム上への均一な薄膜形成技術を確立している。さらに、赤外線乾燥技術に加え、真空チャンバーやグローブボックス内での塗工技術の活用により、PSCの製造プロセス最適化を進めている。
 2019年に山形大学が発表した「印刷方式によるフレキシブル有機薄膜太陽電池の実証試験」においても、SERIA製の装置が研究に使用されるなど、その技術力は高く評価されている。
 小森コーポレーションはオープンイノベーションを推進し、PSC向けの薄膜塗工装置の事業化に取り組んでおり、量産化への重要なステップを進めている。PSCをはじめとする第三世代有機太陽電池の産業化を加速させることで、持続可能な社会の実現に貢献していく。

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