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2025/6/3

【リチウムイオン電池パック用圧力開放弁】ニフコ、量産開始

 ニフコは、大流量で再閉弁可能なリチウムイオン電池パック用圧力開放弁(リリーフバルブ・防爆弁)を多用途向けに量産開始した。
 昨今、急速に市場が拡大している電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)などの電動自動車に使用されるリチウムイオン電池は、熱暴走が起きると大量にガスが発生して電池パック内の圧力が高まり、電池パックの爆発が起きる危険性がある。圧力開放弁とは、電池パックの内圧が規定値を超えるとバルブが開き、圧力を大気に開放することで爆発を防ぐ製品。
 ニフコが生産している圧力開放弁は、ガスの吐出流量が最大1万L/min(35kPa時)と非常に大きい上に、ガスを放出し圧力を開放した後、再度閉弁しパック内延焼を抑えるという特徴があり、2020年よりトヨタ自動車の電動自動車に搭載されている。自動車業界の厳しい基準を満たし、多くの車種に採用されていることから、その性能・信頼性は実証済。
 この電動自動車向け製品の開発・製造経験をもとに、この度、ニフコは、自動車だけでなく産業用蓄電池・建設機械・パーソナルモビリティなど、幅広い用途に使用できる圧力開放弁を標準品として量産開始した。同製品は、標準品として生産しているので、製品開発の時間を短縮したい、もしくは、少量生産品の開発にかかる費用・イニシャル投資を削減したい場合にお薦め。
<製品の特長>
・バルブにコイルばねを採用しているため圧損が少なく大流量の確保が可能、更に、開弁圧が安定し確実な作動が可能
・製品1つ当たりのガス流量が大きい(最大1万L/min以上(35kPa時))ため、電池パック当たりの使用個数を抑えられコスト低減が可能
・圧力解放後には再閉弁し酸素の流入を抑制、電池パックの延焼を抑える
・高水圧にも耐えうるシール設定で、ショートの原因となる水・異物の侵入を防ぐ
・樹脂製のため軽量、かつ金属製の電池パックに対する絶縁性が高い
・電池パックへの取り付け方式はボルト留めを採用し安定性確保
<製品の機能>

<製品の形状と構造>

<製品仕様>

 現在、ラインナップの拡大に向けた開発を推進中。

カテゴリー
コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

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