アーカイブ情報
2025/5/14
【倉庫業界の展望に関するグローバル調査】ゼブラ、 現場スタッフの70%以上が現場でのケガを懸念
ゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーション(ゼブラ)は、「倉庫業界の展望に関するグローバル調査2025」の結果を発表した。
“あらゆる作業を最適化:高パフォーマンスを実現する倉庫管理の公式”と銘打たれた本調査では、倉庫オペレーションの自動化によるメリットとともに、自動化の実装に遅れが生じることに対するリスクを指摘する現場スタッフの声が浮き彫りとなった。
調査によると、世界の倉庫業界経営層の63%が5年以内に人工知能(AI)ソフトウェア、および拡張現実(AR)の導入を計画している(アジア太平洋地域[APAC]ではそれぞれ63%、65%)。さらに世界の64%(APACは63%)が今後5年間で倉庫の近代化への投資増額を計画。2029年までに近代化のスケジュールを加速させる予定であるとの回答は世界 63%、APAC 64%でほぼ同じ水準となった。
倉庫業界の動向に関するインタラクティブ・アナリシス社の予測によると、世界の倉庫面積は2023年の330億平方フィートから、2030年には420億平方フィートへと27%増加する見込み。また、倉庫関連の人件費も2030年までに年平均成長率7%で長期的な続伸が見込まれている。
本調査に寄せられた現場スタッフの声からは、業界規模の拡大が続き、日々の注文量が増加の一途をたどることを受け、経営陣が労働力確保を加速させる必要があることが浮き彫りとなっている。
-企業が倉庫運営を改善するテクノロジーへの投資を行わなければ、業務目標を達成できないと回答した倉庫スタッフは85%(APAC 88%)に達した。
-現場スタッフの74%(APAC 77%)が、自動化可能なタスクに時間を取られすぎていると感じている
-現場スタッフの72%(APAC 79%)は、多忙化する倉庫内の安全性を懸念しており、うち70%(APAC 72%)は特に労働災害のリスクを心配している
-倉庫内に資格を持つスタッフが不足しており、疲労や過労を懸念しているスタッフは世界で69%(APAC76%)
一方、倉庫業界の経営陣の多くが、サービスレベルアグリーメント(SLA)で定められた在庫補充率(世界 51%、APAC 45%)や、注文準備(世界 47%、APAC 51%)を維持することが困難であると認識している。また、注文精度(世界 41%、APAC 43%)と出荷プロセス(世界 41%、APAC 40%)が業務における重大な課題として挙げられた。テクノロジーの活用が進んでいるものの、eコマース市場の拡大に伴い「最終消費者への迅速な配送」(世界37%、APAC 36%)も倉庫チームにとっての重要な懸念材料となっている。
顧客の期待が高まる一方で、倉庫運営側の雇用力には限界があるため、現場スタッフは協働ロボット(世界 88%、APAC 91%)や、人間工学に基づいたモバイルデバイス(世界 88%、APAC 90%)、コミュニケーションアプリ(世界87%、APAC 90%)、タスク管理ツール(世界 91%、APAC 94%)の活用が、職場の課題解決に役立つと考えている。また、自動化およびモバイルテクノロジーの普及が、より多くのスタッフの採用と定着に役立つという回答は、世界では93%、APACは92%を占めた。特に、勤務先から業務に役立つテクノロジーツールや自動化ツールを支給されることで、約9割のスタッフが「会社から評価されている」と感じていることが分かった。
自動化が倉庫スタッフにどのように、そしてどの程度役立つことが期待されているのか経営層はモバイル端末を活用したAIアプリケーションに関し、スタッフの安全確保、品質管理、在庫管理に大きな効果を発揮すると考えている。AIが潜在的な危険の検知や、予防のためのアラートを発信する機能が業務改善に繋がるとの回答は世界で79%(APAC 82%)にのぼり、78%(APAC 82%)が問題や異常検知にAIが有効であると考えています。さらに、77%(APAC 78%)がAIアプリケーションは需要予測、在庫の最適化、スペースの有効活用に役立つと回答した。
世界の経営陣の多くは倉庫の拡張や自動化を計画中、または既に導入済みであり、その目的としてエラーの軽減(71%)とSLAの遵守(70%)を挙げている。経営陣は自動化によって作業員の効率、および生産性が向上する(世界 54%、APAC 56%)と考えているだけでなく、注文エラーや手作業によるピッキングの削減が実現する(世界、APAC共に53%)ことに期待を寄せている。さらに、82%(APAC84%)は倉庫スタッフに追加のテクノロジーツールを提供することが、生産性の目標達成を後押ししつつ、身体的な負担の軽減、労働災害の防止にもつながると考えている。自動化がスタッフのやる気を向上させるとの回答は世界 81%、APAC 80%を占めた。
倉庫業界経営陣へのサポートも不可欠
倉庫業界経営層はサプライチェーンネットワークにおける最大の課題として、「テクノロジーとインテリジェントオートメーションを活用したイノベーション」と「変化する顧客ニーズへの対応」を挙げている。しかし、後者の課題解決には、経営層がテクノロジー活用の具体的な方向性を示すことが不可欠。
ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパン社長 古川 正知は次のように述べている。
「世界中のスタッフは、業務に適切な自動化ソリューションを組み込むことで、自身の働き方が改善されると訴えており、これは倉庫ソリューションを強化する必要があるという明確なサインといえます。資材の移動、データ収集、情報管理の自動化は、全ての関係者にWin-Winの成果をもたらします。これにより、多忙な倉庫での安全性が向上し、SLAを効果的に遵守しながら、市場への高品質な商品の安定供給を維持することが可能となり、顧客満足度と従業員のエンゲージメントの双方が向上します。現場スタッフは倉庫での作業のうち、望まない作業に時間を費やしていることが多いのが現状です。これらの業務は、本来であれば自動化できる、あるいは自動化すべきものです。倉庫の持続的な成長を促進する、よりスマートな未来を実現するためには、経営層が積極的にデジタル化、自動化、およびインテリジェンスの向上を推進し、現場のオペレ
ーションを支えることが不可欠です。ゼブラはこの変革をリードしてまいります」
倉庫業界の展望に関するグローバル調査2025 概要
調査企画:ゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーション
調査対象:製造、小売、輸送、物流、卸売販売の従業員および経営陣1,700人以上
調査地域:北米、ヨーロッパ、中南米、アジア太平洋(オーストラリア、ニュージーランド、中国、インド、日本)
調査方法:Azure Knowledge Corporation(米調査会社)が2024年6~7月、オンラインにて実施
日本語版レポート
https://www.zebra.com/jp/ja/cpn/elevating-every-move.html
- カテゴリー
- news
- コンバーティングニュース