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2025/5/9

【化学品】住友化学、住化ロジスティクス、T2の3社、カーボンニュートラル燃料を⽤いた⾃動運転トラックによる幹線輸送実証へ

 住友化学住化ロジスティクス(SLC)T2の3社は、2025年7⽉より、⾃動運転トラックによる幹線輸送*1の実証を、関東から関⻄までの⾼速道路⼀部区間で始める。
 ドライバー不⾜が問題化する中で、今回の実証では、住友化学グループが⽣産する複数の化学品を対象に、T2が開発したレベル 2*2⾃動運転トラックを⽤いて関東から関⻄までの⾼速道路⼀部区間を幹線輸送することで、安全な輸送や環境への配慮がとりわけ求められる化学業界において、サステナブルな物流オペレーションが構築できるかを検証する。
 さらに、この実証では、CO2排出量の削減を⽬的に、カーボンニュートラルに資する燃料を使⽤する。2026年度から企業ごとの CO2排出量に枠を設け、企業間で過不⾜を取引する「排出量取引制度」が本格化するにあたり、⾃動運転の分野でも、こうした社会の動きにどれだけ対応できるかを確認する。
<実証概要>
時期:2025年7⽉から
場所:関東から関⻄までの⾼速道路上の⼀部区間(約500km)にて実施
   ⾏程:住友化学千葉事業所(千葉県袖ケ浦市)→⼤阪地区 中継拠点
役割:住友化学 積載貨物の提供
   SLC 化学品等の輸送オペレーションの提供
   T2 全体マネジメント、実験⽤⾞両の提供
積載:化学品等
検証内容(すべての実証はドライバーが乗⾞し、レベル2相当で実施):
  ・貨物を積載した幹線輸送における⾃動運転の⾛⾏ルートおよび⾛⾏リードタイム検証
  ・想定したオペレーションパターンの有効性検証
  ・カーボンニュートラル燃料を⽤いた輸送の有効性検証

 3社では、今回の実証の結果を踏まえて、T2が2027年より開始するレベル4*3⾃動運転トラックの実現に向けて連携を深めていくほか、カーボンニュートラル燃料のうち、廃⾷油を主な原料とし、次世代の軽油代替燃料として期待される「リニューアブルディーゼル」を使⽤した輸送も⽬指す。
*1  ⼯場で⽣産された商品を全国の配送拠点に主要な輸送ネットワークを通じて効率的に運ぶこと
*2 ドライバーの監視のもとに⾏われる特定条件下での⾼機能⾃動運転
*3 特定の⾛⾏環境条件を満たす限定された領域において、⾃動運⾏装置が運転操作の全部を代替する状態
(参照︓国⼟交通省資料
住友化学の⼤野顕司常務執⾏役員のコメント
 「物流を取り巻く環境はさらに厳しさを増しており、ドライバー不⾜は喫緊の課題となっています。当社においてもDXを活⽤した⾃動化、機械化の検討を進めており、⾃動運転トラックの活⽤は将来を⾒据えた有効な⼿段と考えています。今回検証に参加することで、とりわけ安全⾯を重視しながら多種多様な荷姿を持つ化学品への適⽤可能性を探り、持続可能な物流の実現につなげて⾏きたいと考えています」
住化ロジスティクスの⾼⽊国博代表取締役社⻑のコメント
 「⾃動運転トラックによる幹線輸送の実証は、ドライバー不⾜という現在の⽇本が抱える社会課題の解決に⼤きく寄与し、物流業界の未来に変⾰をもたらす挑戦です。当社は「安全・品質重視のサステナブルな物流サービス」を中期経営計画の重要テーマの⼀つとし、各種取り組みを進めています。今回、T2との実証実験への参画を通じて、取扱いが難しい化学品の安全かつ持続可能な物流の構築を積極的に推進していきます」
T2の森本成城代表取締役CEOのコメント
 「住友化学と住化ロジスティクスとともに社会的意義の⼤きな本実証を実施できますことに⼼より感謝を申し上げます。将来を⾒据えた化学品の持続可能な輸送、そしてカーボンニュートラルの実現といった社会課題の解決にT2が少しでも貢献できるよう、今回の実証で確かな道筋をつけてまいりたいと考えています」

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