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2025/4/11
【半導体】世界半導体製造装置販売額は2024年に1170億ドルへ急増
SEMI(本部:米国カリフォルニア州ミルピタス)は、2025年4月9日(米国時間)、2024年の半導体製造装置(新品)の世界総販売額が、前年の1063億米ドルから10%増となる1171億米ドルであったことを発表した。このデータの詳細は、SEMIが発行する世界半導体製造装置市場統計(WWSEMS)レポートで提供される。
2024年には、世界の前工程装置市場が著しい成長を遂げ、ウェーハプロセス用処理装置の売上は9%増、その他の前工程装置分野は5%増となった。この成長の主な要因となったのは、最先端および成熟ロジック、先進パッケージング、高帯域幅メモリ(HBM)の生産能力拡大に向けた投資の増加と、中国における大幅な投資増加。
後工程装置市場は、2023年まで2年連続減少したが、2024年にはAIおよびHBMの製造の複雑化と需要の高まりを追い風に力強い回復を見せた。半導体業界が先進技術のサポートに力を入れていることを受けて、組立およびパッケージング装置の売上は前年比25%増、テスト装置の売上は同20%増となった。
SEMIのプレジデント兼CEOのAjit Manocha(アジット・マノチャ)氏は次のように述べている。
「世界の半導体製造装置市場は2024年に10%増加し、わずかに落ち込んだ2023年から回復して、年間売上高は過去最高の1,170億米ドルに達しました。2024年の半導体業界によるチップ製造装置への投資は、地域ごとの投資動向、ロジックおよびメモリの技術進歩、AIアプリケーションからのチップの需要の高まりによる活況を反映しています」
地域別では、中国、韓国、台湾が半導体製造装置への投資額で上位3市場を維持し、世界市場の74%を占めた。中国は、積極的な生産能力拡大と国内チップ生産強化を目的とした政府支援のイニシアチブを追い風に、投資額が前年比35%増の496億米ドルに達し、最大の半導体製造装置市場としての地位を固めた。世界第2位の市場である韓国では、メモリ市場が安定し、HBMの需要が急増したことにより、装置投資額は3%増の205億米ドルとなった。一方、台湾では生産能力拡張に向けた需要の鈍化から、装置販売額は16%減の166億米ドルとなった。
これに対し、北米では国内製造および先端ノードへの注目度が高まったことにより、半導体製造装置への投資額は14%増の137億米ドルに達した。東南アジアなどのその他地域では、新興市場でのチップ生産の増加に支えられ、15%増の42億米ドルが販売された。しかし、欧州では、経済不振の影響で自動車および産業分野の需要が低迷したことから、装置投資額が25%減となる49億米ドルに落ち込んだ。日本も、主要な最終市場の成長鈍化に苦戦し、売上は78億米ドルと1%の微減となった
WWSEMSは、SEMIと日本半導体製造装置協会(SEAJ)が共同で、それぞれの会員企業から提出されたデータを集計した世界半導体製造装置産業の月次販売額の統計レポートである。

(出所:SEMI/SEAJ 2025年4月)
*各地域の金額の合計は数字を丸めているため合計値と一致しない場合がある。
SEMIの半導体製造装置市場統計レポート年間購読(EMDS)は、世界半導体製造装置市場に対する包括的な市場データを提供する。EMDSには、次の3レポートが含まれる。
・製造装置市場動向の早期見通しを月毎に提供するSEMI Billingレポート
・半導体製造装置の出荷額を世界7地域と24の装置カテゴリーに分類した詳細な月次レポートの世界半導体製造装置市場統計(WWSEMS)
・半導体製造装置市場の予測を提供するSEMI半導体製造装置フォーキャスト
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