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2025/6/28

【可変速モータプラットフォーム】ABB、モータとドライブを統合した「LV Titanium」発売

 ABBの新しいLV Titanium可変速モータプラットフォームは、高効率モータと可変速ドライブ(VSD)技術のメリットを、単一のコンパクトでカスタマイズ可能なプラグアンドプレイソリューションに統合し、産業界の顧客がエネルギー消費を最小限に抑え、コストを削減し、CO2排出量を削減することを可能にする。
 LV Titaniumは、ポンプ、コンプレッサ、その他多くのアプリケーションに IE5ウルトラプレミアム効率をシンプルかつコスト効率の高い方法で提供する。既存のダイレクトオンライン(DOL)誘導モータの置き換えとして、この可変速モータは迅速な投資回収が可能なVSD駆動モータへの簡単なアップグレードパスを提供する。
 革新的なLV Titaniumプラットフォームは、単にボルトでモータに固定されたドライブではない。このプラットフォームは、高効率の永久磁石(PM)モータと最適な性能を発揮するように最初から設計され、高度なドライブモジュールを備えた、完全統合型のコンセプトとして開発されている。垂直方向のドライブがモータの端に取り付けられた、この流線型のデザインは、スペースを節約し、LV Titaniumを垂直方向のポンプなどの用途に最適す。また、動作中も非常に静かである。
 LV Titaniumのさらなるメリットは、幅広い速度およびトルク要件に対応し、低速でも高トルクを発生できること。
 「LV Titaniumは、設置の複雑さを増すことなく、省エネとCO2排出量の削減を実現したいというお客さまのご要望を受けて開発されました」と、ABBのIECLVモータのディビジョンプレジデントであるStefan Floeck氏は述べている。「この可変速モータは、まさにそのニーズに応える製品です。当社の数十年にわたるアプリケーションの専門知識を生かした、コンパクトで使いやすく、速度制御が可能なモータパッケージに、高度な性能を兼ね備えています」。
 プラグアンドプレイ機能により、LV Titaniumは試運転が不要。これは、完全に統合されたモータとドライブが、工場出荷前に連携して動作するように試運転および最適化されているため。これにより、設置が迅速かつ簡単になり、キャビネットや電気室も不要で、特別なトレーニングを受けた作業員も不要。
 LV Titaniumは、直感的なコントロールパネルと、ユーザーに使いやすいアナログおよびデジタル入出力(I/O)、そしてシンプルな内蔵PLCを搭載している。また、PLCやその他の制御機器との統合を容易にするModbus RTU通信プロトコルなどの接続機能も備わっている。

産業用ポンプアプリケーションにおけるLV Titanium
データセンタの換気アプリケーションにおけるLV Titanium
産業用コンプレッサアプリケーションにおけるLV Titanium
垂直方向取付のLV Titanium

 コンパクトな設計と高い出力密度により、可変速モータは、同等の誘導モータよりも少なくとも2枠番小さいサイズを実現しており、古い非効率なモータの置き換えなど、スペースが限られている設置場所に最適。
 LV Titaniumに置き換えることで実現するエネルギーコストの削減の可能性は、IE5可変速モータの主な最適用途の1つである遠心ポンプ(7.5kW)に、従来の固定速の単独モータを使用した場合と比較することで明らかになる。欧州の一般的なエネルギーコスト0.21ユーロ/kWhに基づいて、年間電気代の節約額は4000ユーロを大幅に上回ると推定される。同時に、欧州の平均炭素強度係数0.3kg CO2/kWhを基準にすると、年間6000kgのCO2排出量削減が実現する。 (出展: https://ourworldindata.org/grapher/carbon-intensity-electricity)
 LV Titanium可変速モータは現在、1.5kW以上の小型サイズで提供されているが、プラットフォームは、水処理、化学処理、食品、飲料など、幅広い産業分野向けの 30kWまでのアプリケーションに対応するように拡大される予定。このモータは、標準品として提供するほか、ユーザーの特定の要件に合わせてカスタマイズすることも可能。
 その革新的な効率性、汎用性、堅牢性、コンパクトな設計により、LV Titaniumは、現在のニーズを満たすだけでなく、将来の業界ニーズも先取りした先進的なソリューションを提供し、世界中の産業オペレーションに変革をもたらす。

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