アーカイブ情報
2025/4/23
【機能性材料】東洋製罐グループホールディングス、「MiraNeo」の太陽電池用製品を開発。ベルギーのフレキシブル太陽光発電パネルメーカーEnfoilへの出資を通じて世界展開へ

東洋製罐グループホールディングスは、同社が開発した、ガラスと同等の水分バリア性を誇る機能性フィルム「MiraNeo(R)(ミラネオ)超水分バリアフィルム」をはじめとした、電子デバイス向け機能性材料ブランド「MiraNeo(R)」の事業拡大を目的として、次世代フレキシブル太陽光発電パネルのパイオニアであるEnfoil BV(本社:ベルギー リンブルフ州ヘンク、CEO:Xavier Sahyoun、以下「Enfoil」)に対する出資手続きを2025年4月15日に完了した。出資金額は70万ユーロ(約113百万円)で、この出資により同社はEnfoilの主要株主となった。2025年3月より、同社からEnfoilへMiraNeo(R)の太陽光発電パネル用フィルム製品の出荷を開始しており、Enfoilは同フィルムを採用した太陽光発電パネル製品の製造を進める。

今回の出資を通じて、Enfoilの事業成長を加速させ、MiraNeo(R)製品の世界展開を進めることで、温室効果ガス(GHG)排出量削減に向けて、両社によるフレキシブル太陽電池市場の共創を図っていく。

また、日本国内の展開に向けて、同社グループの東洋メビウスと共同での実証実験を2025年5月より開始する。今後、同社グループはクリーンエネルギーの普及によるGHG排出量の削減と持続可能な社会の実現を目指す。
Enfoilについて
Enfoilは、TNO(オランダ応用科学研究機構)、IMEC(ベルギー半導体研究所)、ハッセルト大学からスピンオフした、ベルギーに本社を構える太陽光発電パネルメーカーで、CIGS系※フレキシブル太陽光発電パネルの製品開発を行っている。Enfoilはマスカスタマイゼーション技術により、顧客の望む仕様のフレキシブルモジュールを高い生産性を保ちながら生産できる強みを持っており、次世代太陽電池のパイオニアとしてヨーロッパで注目されている。
東洋製罐グループホールディングスの「MiraNeo(R)」が持つ高い防水性・柔軟性により、Enfoilの取り扱うCIGS系フレキシブル太陽光発電パネルの「薄い・軽い・フレキシブル・高耐久性」という特長を向上させ、フレキシブル太陽光発電パネルの市場開拓を加速させることが可能であることから、このたびの出資に至った。
※銅、インジウム、ガリウム、セレンを化合して製造される太陽電池。ペロブスカイトと比較して、シリコン太陽電池並みの高い耐久性が強み。
東洋メビウスとの実証実験について
日本においては、ぺロブスカイト系フレキシブル太陽光発電パネルの展開が進んでいるが、東洋製罐グループホールディングスは上記のような強みのあるCIGS系製品の展開に向けた取り組みを進めていく。
2025年5月より、東洋メビウスの物流用トラックの屋根に、「MiraNeo(R)」製品を適用した太陽光発電パネルを積載し、走行・発電することによるGHG削減効果の検証を開始予定。また、2025年6月を目処として、実証実験中である旨をラッピングしたトラックの走行も開始する。
期間:2025年5月開始予定
対象台数:3台(順次増車予定)
対象地域:関東、東北、中部

電子デバイス向け機能性材料ブランド「MiraNeo(R)」について
「MiraNeo(R)」は、「Flexible for the bright future」をコンセプトとする、東洋製罐グループホールディングスの電子デバイス向け機能性材料ブランド。そのラインナップの1つである「超水分バリアフィルム」はガラス並の防水性や高い耐久性、高生産性などを誇り、フレキシブル太陽光発電パネル用をはじめとして、さまざまな製品への適用を進める。
•コンセプトムービー:https://youtu.be/-Ey8qifv7zM
•プロダクトムービー:https://youtu.be/_3OIidDxFHo
今後の展望
東洋製罐グループホールディングスは今後、「MiraNeo(R)」ブランドのさまざまな分野への展開を進め、社会課題の解決に貢献する新たな仕組みの創出を推進する。太陽光発電パネル用フィルムの早期社会実装に加え、有機ELサイネージ用の表面保護フィルムなどへの展開にも注力し、環境負荷の低減による持続可能な社会の実現や、来たるスマート社会へ向けた製品開発、市場開拓に取り組んでいく。
- カテゴリー
- コンバーティングニュース