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2025/6/12
【次世代航空機】NEDO、CFRP高レート生産技術の研究開発を本格始動。東北大学の提案採択
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、「航空機向け革新複合材共通基盤技術開発事業」において、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の高レート(高速大量)生産技術に関する、東北大学の「次世代航空機向けCFRP成形シミュレーション技術・材料データベース構築の研究開発」を新に採択した。事業年度は2025年度~2029年度(予定)で、委託事業費は約3億円(2025年度)。
複合材料製造技術を革新し、日本の航空機産業の競争力を強化するとともに、航空機の軽量化により二酸化炭素(CO2)削減を図り、脱炭素社会の実現に貢献する。
航空機産業では、次世代航空機開発に向けて、2035年頃に想定される次期単通路機市場を視野に入れた開発が加速している。その中核技術の1つが、CFRPの高レート生産。CFRPは軽量かつ高強度な複合材料であり、航空機の機体構造に広く使用されている。そして従来のアルミニウム素材と比較して大幅な軽量化が可能であり、燃料消費の削減や環境負荷の低減に大きく寄与する。しかし、現在のCFRP製造プロセスでは、安定した成形が難しく、以下の抜本的な技術革新および社会実装を見据えたデータ基盤の構築が必要となっている。
・短時間で安定に成形ができる技術
・安全性や品質を保証する成形プロセス解析ツール
・材料認証に対応したデータ基盤
こうしたニーズを背景に、同事業ではCFRPの高レート成形プロセス最適化の開発を強力に推進し、複合材料製造の技術革新を目指す。NEDOはこの事業を通じて、日本の航空機産業の競争力を強化するとともに、航空機の軽量化によりCO2削減を図り、脱炭素社会の実現に貢献する。
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