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2025/5/15

【物流】DNPロジスティクスと王子ネピア、王子物流の3社、異業種混載輸送開始

 大日本印刷(DNP)グループの物流会社であるDNPロジスティクスと、王子グループの王子ネピア王子物流は、両グループの製品を1台のトラックで同時に運ぶ「異業種混載輸送」を2025年5月中旬に開始する。
 3社は2024年12月から、混載輸送の実現に向けて、福島県と東京都の間での共同輸送の実証実験に取り組んできた。その結果、従来と比較して、年間で両社の輸送トラックを約60台(DNPロジスティクスと王子物流の輸送トラックの合算)、CO2排出量を約50%削減できる見込みとなった。こうした成果を踏まえて3社は今回、「異業種混載輸送」を開始する。

2段積輸送のイメージ

「異業種混載輸送」の背景と狙い
 2024年4月にトラックドライバーの時間外労働の上限規制と改正改善基準告示が適用され、“輸送力低下”や“人手不足”などの「物流2024年問題」が大きな課題になった。こうした状況に対してDNPロジスティクスは、自社の輸送トラックの積載率を高める取り組みを多くのパートナー企業・団体とともに進めてきた。この取り組みの中で今回、大人用の紙おむつ「ネピアテンダー」を製造する王子ネピア福島工場(福島市庄野赤土1-1)と包装資材を製造するDNPの泉崎工場(福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字中核工業団地7)が地理的に近いこともあり、両グループの製品を混載して東京の各拠点に届けることで、負荷低減と価値向上を図る「異業種混載輸送」を開始した。

「異業種混載輸送」の主なポイント
(1)DNPのトラックの荷物の積み方を「1段積」から「2段積」に変更。積載物の重量制限の範囲内で、積載量を従来の16パレットから28~最大32パレットに増やすことができた。これによってトラックの荷台のスペースを確保し、混載輸送を可能にした。
(2)今回開始する異業種混載輸送の流れは次の通り。
 王子ネピア福島工場(福島県福島市)、DNP泉崎工場(福島県西白河郡泉崎村)の順番で荷物を搭載し、DNPグループの関東地区の工場・倉庫、王子ネピア江戸川倉庫(東京都江戸川区)の順番で荷物を降ろす。この荷卸しの順番からトラック荷台の前方に王子ネピアの商品、後部にDNPの製品で搭載して輸送。
(3)この異業種混載輸送により、従来と比較して両社で年間を通じて、輸送トラックを約60台、CO2排出量を約50%、それぞれ削減できる見込み。
(4)混載輸送によって両グループの製品の品質に影響が出ないことを確認している。

今後の展開
 3社は今後も異業種混載輸送の取り組みを通じて、CO2排出量の削減や物流の人材不足などの課題解決につなげていく。また、この取り組みを他の業種・エリアに拡大することも検討していく。

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