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2024/2/6

【2024堀場雅夫賞】堀場製作所、2月14日から募集開始。テーマは「水環境を健全に保ち循環型社会の形成に貢献する分析・計測技術」

 堀場製作所は、「2024堀場雅夫賞」の募集を2月14日から開始する。2024年度対象分野は「水環境を健全に保ち循環型社会の形成に貢献する分析・計測技術」。
 同賞は2003年に研究者奨励を目的に創設され、今年で第20回を迎える。毎年異なる対象分野から、新しい技術の開拓に寄与する分析・計測技術を募集し、国内外の若手研究者・技術者を表彰している。科学の発展に不可欠ながら、技術の主役としての脚光を浴びにくい分析・計測技術の研究に焦点を当て、画期的でユニークな研究をされている研究者・技術者の功績を世に知らしめたいとの創業者のおもいを受け継いでいる。同賞を通じてこうした研究者・技術者の挑戦を支え、将来のイノベーション創出の一助になればと願っている。社是である「おもしろおかしく」を研究の場で実践されている研究者・技術者の積極的な応募を期待している。
<今回の募集対象>
 水環境を健全に保ち循環型社会の形成に貢献する分析・計測技術
1.持続可能な水環境に貢献する新規測定技術に関する研究
2.持続可能な水循環のための処理技術に貢献する新規水質センシング技術・システムに関する研究
 *水を主成分とする液体であれば生体試料も分析・計測対象として含み、従来センシング技術の発展(長寿命化、小型化、省エネ化、省資源化、ゼロエミッション化、簡便化、データ解析など)によって環境負荷を低減する研究を含む。ただし、専ら病理学や医学の発展に寄与する研究は対象外とする。
<応募要綱>
応募資格:国内外の大学または公的試験研究機関に所属する方
募集分野:水環境を健全に保ち循環型社会の形成に貢献する分析・計測技術
応募期間:2024年2月14日~5月10日
審査方法:審査委員会が応募書類に基づき実績と将来性を審議し決定する。
発  表:7月末予定
賞の内容:受賞者には、賞状および副賞を授与。副賞は1件当たり金200万円(100万円/年×2年)を授与。
     ※応募資格の継続が条件となる。

<審査委員会(50音順・敬称略)>
審査委員長 :桑畑 進氏(大阪大学工学研究科応用化学専攻 教授 工学研究科長)
審査委員  :今井章雄氏(国立環境研究所 地域環境保全領域 研究連携コーディネーター)、高井まどか氏(東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 マテリアル工学科 教授)
海外審査委員:Paul K. Westerhoff(ポール・K・ウェスターホフ)氏(Arizona State University Professor) 、黄 清輝(フアン・チンフェイ)氏(同済大学(Tongji University) Associate Professor)
社内審査委員:市成祐一氏(堀場アドバンスドテクノ 開発本部 先端技術開発部 副部長)、西尾友志氏(堀場アドバンスドテクノ 開発本部 先端技術開発部 シニアマイスター)
アワード
ディレクター:堀場 厚氏(堀場製作所 代表取締役会長兼グループCEO)
実行委員長 :足立正之氏(堀場製作所 代表取締役社長)
実行副委員長:中村博司氏(堀場製作所 執行役員 CTO)

■募集分野「水環境を健全に保ち循環型社会の形成に貢献する分析・計測技術」について
 近年、地球環境の変化に伴い、各産業における持続可能な発展への関心は高まっており、その中でも水質分析・計測技術はさらに重要性を増している。水は私たちの生命基盤であり、飲料水や農業、産業活動などさまざまな領域で不可欠な資源。地球上に存在する水は、川から海へ流れ、海で水蒸気となり雨や雪として地表へ降り、そして再び川を通じて海へ戻る。私たちは暮らしの中で、このように絶えることなく循環する水のほんの一部を利用しているに過ぎない。しかし、人間の産業活動による影響の蓄積が大きな水質課題となった出来事は幾度もあった。
 急速に発展し続ける社会において、産業活動に伴う排水に含まれる物質が地球環境や生態系に与える懸念が高まるにつれ、その規制強化は避けられないものとなっている。これまで測定自体が困難であった物質を検出する新規測定技術に加え、検出方法として技術的には既に存在しても、現場で簡便に検出できる手段としては未だ確立されていない物質(例えば、マイクロプラスチックや有機フッ素化合物など)を迅速・簡便に検出する新規測定技術は、清澄な水環境を将来にわたって保全していくために必要とされている。
 加えて、持続可能な水循環の達成のためには水処理システムのさらなる高度化も必須。生活排水・産業排水においては、環境負荷軽減を目的として行う処理、あるいは身近な河川水・地下水の衛生を保ち、安全に飲用するために行う処理は世界中どの国・地域においても水のサイクルを確立するために必要となる。水処理システムは処理前後の水質モニタリングによって適正な管理が果たされるという点で、分析・計測と密接に関連しており、互いに補完し合いながら運用される。限られた水資源を効率的に活用し、循環型社会を築く基盤を強固にするためには、水処理技術の進歩に寄与する水質センシング技術や水質測定システムが求められている。
 2024年の堀場雅夫賞では、水環境の保全と循環型社会の形成に貢献する上記のような水質分析・計測技術を募集対象とする。本募集には従来の水質分析・計測技術における環境負荷を低減する発展的な研究(例えば、小型化・省資源化・長寿命化やそれらを達成するためのデータの分析・解析手法)も含む。世界中のあらゆる水質を守るために分析・計測技術の進展に意欲的に取り組む国内外の研究者・技術者からの応募を歓迎する。

堀場雅夫賞の過去のテーマと応募論文件数
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