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2025/3/21

【3Dプリンター】DNP、廃材をインテリア等にアップサイクルするサービスを開始

 大日本印刷(DNP)は、企業の事業活動等で発生する廃材を再生素材にし、3Dプリンターを使ってインテリア等にアップサイクル(価値を高めて循環)するサービスを開始する。

 第1弾として、丸井の「北千住マルイ」(東京都足立区)1階の共用スペースに、同店で不要になった紙等を再生素材にして作成したチェアやソファを2025年3月20日に設置した。

「北千住マルイ」の共用スペースのイメージ図

【サービス開始の背景と狙い】

 多くの企業では現在、循環型社会の実現に向けて、製品等の製造過程で発生する廃材等を再生素材として活用するニーズが高まっている。また、環境に配慮した製品・サービスに対する生活者の需要も拡大傾向にある。

 こうした状況に対してDNPは、廃材を再生素材化して、デザイン性などが高い製品へとアップサイクルするサービス「再生素材を活用したデザインソリューション」を2022年から展開している。再生素材でボードを作成し、軽さや組み立てやすさなどの特長を活かした什器等を成形し、イベントでの一時的な利用などの用途で提供している。こうして培った知見を活かして今回、3Dプリンターを使用することで製品のデザインや機能を高め、生活者が愛着を持って長く使いたくなる製品ラインアップを展開していく。

【サービスの特長】

・DNPは、廃材を再生素材化し、3Dプリンターでインテリア等にアップサイクルするサービスを開始する。今回、3Dプリンターの原材料である樹脂ペレットに、従来の間伐材から得た木粉に加え、紙を新たに取り入れて材料の改良を図り、再生素材のバリエーションを広げている。

・3Dプリンターを活用することで、より柔軟なデザインや小ロット製造を可能にするとともに、強度や耐久性の向上も実現した。

・チェアやソファなどのインテリアを製造していく予定。

・今回アップサイクル製品を導入した北千住マルイでは、店舗で発生したごみを「廃棄ごみ」と「資源」に分別する「エコファクトリー」という取り組みを行なっており、その取り組みで分別された紙を再資源化し、同サービスのプロダクトの原料として活用した。資源リサイクルの再利用プロセスが顧客に伝わりにくいという課題に対し、プロダクトを設置して顧客に体験していただくことを通じて、プロセスの可視化を実現した。企業は、自社の廃棄物を使ってアップサイクルした製品を顧客に提供し、生活者の体験価値の向上や資源循環に関する意識の変容、顧客とのコミュニケーション、企業の社会的責任(CSR)を果たすブランディングの向上などにつなげることができる。

【今後の展開】

 同社は、事業活動と地球環境の共生を絶えず考え、持続可能な環境・社会・経済の実現を目指して、さまざまな課題の解決に取り組んでいる。2020年には「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させていく。

 その一環で、同サービスを通じて廃材等による再生材の配合率を高めるなど、社会および企業や生活者のニーズに引き続き応えていく。また、アップサイクル製品のデザイン性や機能性の強化、コミュニケーション施策との連動などを通じて、多くの企業の資源循環への取り組みを支援する。

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