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2025/5/16
【CNC】東洋製罐、大阪・関西万博で日本初のセルロースナノクリスタルを使用したバリア性紙容器「新エコクリスタルカップ」を展示
東洋製罐グループホールディングスは、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のフューチャーライフ万博「フューチャーライフエクスペリエンス」内で、2025年6月10日(火)~6月16日(月)までの期間、ナノセルロースジャパン※1(以下「NCJ」)として参加し、日本初のセルロースナノクリスタル※2(以下「CNC」)を活用した酸素バリア性を有する紙カップ「新エコクリスタルカップ」と、そのバリア性を生み出すCNCの性質を可視化する装置(卓上複屈折観察装置)を併せて展示する。

※1 2020年4月に設立された、ナノセルロース※3に関連する企業・大学・研究機関等で構成される団体。産官学の連携によるナノセルロースの技術開発と普及、会員企業間の協業や事業化推進によるナノセルロースの実用化・産業規模の拡大、さらには国際標準化による日本の産業競争力の向上を目的として活動しています。今回のNCJのブースでは、「ナノセルロースがもたらす持続可能な未来生活」をテーマにNCJ会員数社が中心になって展示を行う予定。
※2 ナノセルロースの一つである、ナノサイズの微細結晶体。セルロースミクロフィブリルの結晶部から抽出されたものであり、径は3~50nm、長さは100nm~数μmほどで、セルロースナノファイバーと比べるとアスペクト比が小さいのが特徴。
※3 植物セルロース繊維を、幅が100nm以下のナノレベルまで微細に解きほぐしたもので、CNCやセルロースナノファイバー(以下「CNF」)などのセルロース由来ナノ材料の総称。主に植物由来で、木材などから抽出され、軽量かつ高い強度を持ちながら、環境に優しい再生産可能な新しいバイオ系ナノ素材として世界的に注目され、さまざまな用途への活用が検討されている。
■展示物について
・新エコクリスタルカップ(紙カップサンプル3種類を展示)
同製品は、高機能で環境に優しい新素材であるCNCを日本で初めて使用した酸素バリア性紙カップ。同社と同社の連結子会社である東罐興業の技術の融合により、CNCを使った紙へのバリアコーティング技術を開発し、紙素材へのガスバリア性付与を可能にした。
コーティングされたCNCは、自発的に並んでいきながら、酸素を通しにくい緻密構造を形成し、バリアとして機能する。また、従来のバリア性紙カップでバリアフィルムとして使用されていたプラスチックを削減でき、温室効果ガス(GHG)排出量を削減することが可能なことに加え、内容物の鮮度や香りを保護する効果もある。
同展示では、同製品の用途展開をイメージしたサンプル3種類(コーヒー・ヨーグルト・ポップコーンのカップ)を見ることができる。
東洋製罐グループは、今後、オールバイオマスバリア紙容器の開発を目標にし、同製品における更なるバイオマス素材への置換を進めていく。

・卓上複屈折観察装置
新エコクリスタルカップに使用されているCNCの酸素バリア性メカニズムを体感いただくために、CNCの液晶性を可視化できる観察装置を展示する。バリアコーティングに使用されているCNCの分散液※4を振りながら同装置の偏光板を通して見ると、まるでオーロラのように色や光の変化が見られる。この現象は、CNCが液体のように動きながらも互いに作用し自然に整列することで、光の透過や屈折に影響を与え、複屈折が起きるために生じる。その結果、色や模様の変化として観察される。また、同様にバリア性を有するCNF分散液やバリア性能を改良したCNC分散液についても比較展示を行い、粘度や偏光の違いを体感していただく予定。

※4 不溶の固体粒子を微細化して均一に分散させた液体
■展示概要
・展示期間:2025年6月10日(火)~ 6月16日(月)
・展示場所:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)会場、フューチャーライフヴィレッジ内
フューチャーライフエクスペリエンス
・展示団体名:ナノセルロースジャパン(当社は会員企業として参加)
・展示名:「うわっ、うわっ、うわっ、ナノセルロース」
・当社展示物:酸素バリア性紙コップ「新エコクリスタルカップ」(サンプル品3種類)、
卓上複屈折観察装置・CNC/CNF溶液サンプル
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