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2025/4/26

【GHG排出原単位】東洋紡、フィルム製品についてウェブサイト上で公開

 東洋紡は、2025年3月に、サプライチェーンにおける温室効果ガス(Green House Gas:GHG)排出データの活用促進に寄与することを目的として、フィルム製品の重量当たりのGHG排出量(以下、GHG排出原単位)をウェブサイト上で公開した。
 地球規模の課題である気候変動への対策として、世界全体でGHG排出量の削減に向けた取り組みが進む中、近年では、自社の事業活動領域でのGHG排出量(Scope1,2※1)だけでなく、サプライチェーン全体でのGHG排出量(Scope3※1)の削減が国際的な焦点となっている。サプライチェーン全体のGHG排出量の算定は、優先的な排出源の特定や、事業者同士の連携による環境負荷削減施策の取り組みにとって重要である一方で、算定対象が広範囲に及ぶことからデータ収集の負担が大きいことなどの課題が挙げられている。
 これを受けて同社は、サプライチェーンにおけるGHG排出データの活用促進に寄与することを目的として、同社が製造販売する包装用フィルム製品ならびに工業用フィルム製品の汎用銘柄について、このほどGHG排出原単位データを同社のウェブサイト上で公開した。また、算定に使用した「製品別のカーボンフットプリント(CFP)算定ルール」についても要望に応じて開示することとし、算定者が異なっていても算定結果について比較主張が可能となるよう配慮した。今後も同業各社やサプライチェーンにおける関係各社の意見を幅広く取り入れることで算定ルールの改善に努め、透明性の高いルールに基づいたGHG排出量の算定促進に努める。
 東洋紡グループでは、地球温暖化・気候変動を事業活動の継続に関わる大きなリスクの1つと認識し、2050年度までにGHG排出量をネットゼロ(実質ゼロ)とする「カーボンニュートラルの実現」を目標に掲げている。今後、開示したフィルム製品のGHG排出原単位データを積極的に活用いただくことや、各社の意見を反映することで開示データの透明性を向上させることを通じて、サプライチェーン全体におけるGHG排出量の削減に寄与できるよう努めていく。
 開示対象の汎用フィルム銘柄は次の通り。
<パッケージング事業総括部>
 パイレン®OT P2161
 パイレン®CT P1128
 リックス®L4102
 東洋紡エステル®E5100
 スペースクリーン®SC839
 ハーデン®N1100
 エコシアール®VE100、VE707
<工業フイルム事業総括部>
 東洋紡エステル®E5100、G2000
 コスモシャイン®A4360
 コスモシャインSRF®TA044
 クリスパー®K2323、K2411
 東洋紡エステル®U292W
 カミシャイン®KS100

 汎用銘柄について下記URLにて公開しているが、顧客に採用いただいている個別の銘柄については、別途お問い合わせを。
<GHG排出原単位の算定の前提>
 ISO 14040:2006、ISO 14044:2006準拠
 システム境界はCradle to Gate※2
 2023/4~2024/3までの実績値および二次データベースとしてAIST-IDEA v3.4を使用
 算定は「一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)」認定LCAエキスパートが実施
 算定結果はいずれも、一次データ比率(PDS)は50%以上、データ信頼性(DQR)は1.6以下(WBCSD Pathfinder Framework Version2.0に従って計算)
 製品別のCFP算定ルールについては要望に応じて開示するので、「GHG排出原単位、算定ルール等のお問い合わせ先」へ。
※1 Scope1:事業者自らによる直接排出
   Scope2:他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出
   Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出。15のカテゴリに区分される。具体的には、カテゴリ1の購入した製品やサービスに関連する活動(製造など)や、カテゴリ11の販売した製品の使用に伴う温室効果ガスの排出などがある。
※2 原材料調達、⽣産、流通、販売、使⽤・維持管理、廃棄・リサイクルで構成されるライフサイクルステージのうち、原材料調達から⽣産までを指す。

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