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2025/6/21
【Packaging】キユーピーと味の素、使用済みマヨネーズボトル回収実証実験の進捗報告。2025年7月から回収拠点を川崎市内の3店舗に拡大
キユーピーと味の素は、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて官民連携で取り組む「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(Japan Clean Ocean Material Alliance、以下CLOMA)」の活動の一環として、使用済みマヨネーズボトルの資源循環に向けて協働している。2024年7月1日から使用済みマヨネーズボトルの回収実証実験※をイトーヨーカ堂と協働し、イトーヨーカドー溝ノ口店(神奈川県川崎市)にて実施しているが、現時点での取り組みの進捗と今後の展望について報告をまとめた。
※キユーピーと味の素が協働して使用済みマヨネーズボトル回収の実証実験を開始(2024年6月20日)

回収実証実験の概要
今回の実証実験では2024年7月1日からイトーヨーカドー溝ノ口店において生活者が使用したマヨネーズボトルの店頭回収を実施している。店舗のリサイクルステーションにマヨネーズボトル型の回収ボックスを設置し、生活者から回収したボトルの状態や回収量の確認を目的としている。
<現在実施している回収実証実験の概要>
回収目的:
・使用済みマヨネーズボトルの状態(汚れ具合など)、回収量などを確認すること
・生活者に「マヨネーズボトルは再資源化できる可能性がある」と理解いただくこと
・資源循環に向けた技術検証に活用すること
回収期間:2024年7月1日~2025年6月30日
回収拠点:イトーヨーカドー溝ノ口店
回収対象:家庭で使用したマヨネーズボトル(キユーピー、味の素以外の製品も含む)

■回収実証実験の結果
回収量
今回の回収品のうち、約90%が対象品であるマヨネーズボトルであった。残りについてもタルタルソースやケチャップのボトルなど、マヨネーズボトルと同じ材質(ポリエチレン:PE)のものがほとんどを占めていた。
また、きれいに洗浄されていたマヨネーズボトルの割合は、回収されたマヨネーズボトル全体の99%以上と良好な結果であった。1カ月当たりの回収本数も開始初月である2024年7月の実績と比較し、2025年4月の実績では約2.6倍まで伸長している。

今回得られた知見
1.マヨネーズボトル型回収ボックスの有効性
マヨネーズボトル型を採用したことにより、マヨネーズボトルを集めることを生活者に効果的に訴求できたことが、マヨネーズボトルの高い回収比率につながったと推察した。
2.「マヨネーズ=洗浄しても落ちない」というイメージがあること
多くのマヨネーズ商品は洗浄することで比較的容易にボトル内に残ったマヨネーズを落とすことができるが、啓発活動などを通じて「マヨネーズは油なので洗っても落ちないイメージを持っていた」という意見を多数いただいた。このイメージがボトルを持ってきていただく際の心理的ハードルの一因になっていることが分かった。
3.取り組みに前向きな生活者の受け皿に改善の余地があること
本取り組みの推進に向けて川崎市内でさまざまな啓発活動を実施した。生活者の方々にこの取り組みの価値を理解いただいた一方、啓発活動を通じて「実施店舗まで距離が遠い」というご意見も多くいただいた。
このことから、協力したい思いはあるが、協力は難しい生活者が一定数いることが推察された。

今後の展開
2025年7月からは本実証実験の拡大に向けて、回収対象店舗をイトーヨーカドー溝ノ口店、イトーヨーカドー川崎店、ヨークマート川崎野川店の3店舗(神奈川県川崎市)に拡大し、店頭に認知向上のための啓発媒体を設置する。マヨネーズボトルの資源循環に向けた技術評価についても継続して進めていく。
<2025年7月以降に実施する回収実証実験の概要<
回収期間:2025年7月1日~2026年6月30日
回収拠点:イトーヨーカドー溝ノ口店、イトーヨーカドー川崎店、ヨークマート川崎野川店
回収対象:家庭で使用したマヨネーズボトル(キユーピー、味の素以外の製品も含む)
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