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2025/11/5
【Packaging】日本パッケージデザイン協会、大賞は陳 楠楠さんの作品「食べごろ動物園」
日本パッケージデザイン協会(JPDA)は、第四回となる学生パッケージデザインアワード「日本パッケージデザイン学生賞2025」の最終審査を2025年10月28日に15名の二次審査員により行い、大賞1点、金賞2点、銀賞2点、銅賞2点、企業賞6点(フジシール財団賞、王子ホールディングス賞、大阪シーリング印刷賞、寿精版印刷賞、大商硝子賞、ツジカワ賞2点)、審査員特別賞15点の計28点の入賞作品を決定した。

大賞には、専門学校桑沢デザイン研究所2年生の陳 楠楠さんの作品「食べごろ動物園」が選出された。この作品コンセプトは、「バナナは熟成が進むと、シュガースポットと呼ばれる茶色い斑点が現れます。私はこの変化に着目し、バナナのパッケージをデザインしました。熟成が進むにつれて、シュガースポットがまるで動物の模様のように見えてきます。色の変化を楽しみながら、食べごろのサインにもなるパッケージの提案です」。
審査評は次の通り。
●JPDA理事長 信藤洋二氏
バナナの皮は中身を保護するだけでなく、食べ頃も知らせてくれる天然のパッケージデザインです。シュガースポットの誤解を正し、バナナの食べ頃をスマートに知らせるこのシールは、動物に模様が現れるまで待つ時間もデザインされています。さらに最小の材料で環境負荷を抑えており、アイキャッチ力も高く良く考え抜かれた作品です。動物が真っ黒になる前に食べてあげたくなるのが人情で、フードロスを減らす効果にも期待できるでしょう。おめでとう!
●審査員 JPDA副理事長 福本 佐登美氏
時間の経過そのものをデザイン要素に変えた発想がユーモラスで魅力的です。バナナの「皮」は「実」にとってすでに天然のパッケージと言えますが、そこに一枚ラベルを添えるだけで食べごろを知らせる工夫は、シンプルながら新しい価値を生み出しています。中身の特性を表現するパッケージデザインの本質を軽やかに表現し、日常に小さな発見と笑顔をもたらす「FUN」というテーマにふさわしい前向きな作品であると評価しました。
●審査員 コクヨ ヨハクデザインスタジオ 佐々木 拓氏
バナナに斑点が出ていることが食べ頃ということを知らない人もいる中、食べ頃をユニークに教えてくれる作品。パッケージがシールだけであることのスマートさはもちろん、バリエーションが5つもあることで、好きな動物で選んだり、よりその動物らしさを感じる斑点で選んだりと、様々な視点でバナナの購入体験に楽しみをもたらしてくれそうな点が素晴らしい。
入賞作品のリストは、JPDA学生賞サイトにて公開されている。
入賞作品の画像は、今後JPDA学生賞公式インスタグラムで公開予定。
今後、入賞作品は、『年鑑日本のパッケージデザイン2027』(2027年5月刊行予定)に収録される。
■日本パッケージデザイン学生賞とは
日本パッケージデザイン協会(JPDA)が主催し、パッケージデザインの新しい魅力と価値を学生と共に発掘・伝播していくことを目的にした、学生パッケージデザインアワードで、毎年開催される。第四回となる本年は、「FUN」をテーマとしたオリジナリティのあるパッケージデザインのアイデアを2カ月間募集し、全国の大学・専門学校から858点の応募があった。
パッケージデザインには、中身の情報を伝達するだけでなく、形状の工夫やマーケティング、SDGsを意識したものなど、様々な要素が組み合わされてできている。近年、パッケージデザインに対する関心が高まっていることを受け、美術・芸術系の学校のみならず、パッケージデザインに興味のある学生なら誰でも参加することができるアワードを2022年度より開催している。
作品のデザイン性や創造性を競い、パッケージデザイン界で活躍するJPDA会員審査員と外部特別審査員による厳正な審査を経て、大賞・金賞・銀賞・銅賞・審査員特別賞などが選出される。
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