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2025/2/5

【PPS】ポリプラスチックス、メカニカルリサイクルPPSを今年中に上市

 ポリプラスチックスは、業界に先駆け立ち上げたメカニカルリサイクル事業の一環として、2025年12月までにDURAFIDE rG-PPSガラス繊維40%強化グレードを上市する。同事業は、最適処方や客観的な品質保証を同社が担い、メカニカルリサイクル材料の適用用途を拡大することで、エンプラ100%循環化の実現に貢献する。

オープンPIRメカニカルリサイクルスキーム第1弾:DURAFIDE rG-PPSガラス繊維40%強化グレード
 今回上市されるDURAFIDE rG-PPSは、メカニカルリサイクル事業の一環である「オープンPIRメカニカルリサイクルスキーム※1」によって顧客から回収した、ガラス繊維強化PPSの工程端材を原料としている。前工程では厳しい受入検査や金属除去などを行い、後工程では狙いのスペックに入るようリサイクル原料同士および一部のバージン材を再処方、最適条件での混練の上、バージン材と同様の体制で品質保証を行い、出荷する。スーパーエンプラは一般的に製品カーボンフットプリント(PCF)※2が大きく、「オープンPIRメカニカルリサイクルスキーム」は、お客様での廃棄物削減・有効活用のみならず、お客様製品1個当たりのPCF削減に大きく貢献する。なお、顧客から回収するガラス繊維強化PPSは、当面の間、同社DURAFIDE PPSガラス繊維強化の特定グレードを対象としている。

※1:図1参照
※2:カーボンフットプリント…いわゆるCO2排出量のこと

図1:オープンPIRメカニカルリサイクルスキーム

 具体的な物性はお問合せ

今後の展望
 DURAFIDE rG-PPS第2弾としてフィラー高充填グレードを開発し、ガラス繊維40%強化グレードとあわせて、日本国内の顧客への供給体制確立を目指する。リコンパウンディング事業と「オープンPIRメカニカルリサイクルスキーム」構築には、用途と回収ルート開拓の両方が必要で、同社の得意先様だけでなく様々な静脈産業※3各企業様との連携を視野に入れている。将来的には、世界の国・地域それぞれ内側で完結する「地産地消」循環チェーンの構築、また原料をPCRに拡大することで、動向が注視される欧州ELV規則※4への対応に繋げていく。

※3:静脈産業とは、製造や消費の過程で発生した不要な製品や資材を回収し、再利用やリサイクル、適正処分を行う産業を指す
※4:欧州ELV規則…2031年以降、新車に必要なプラスチックの25%以上を再生プラスチック、さらにそのうちの25%を廃車由来にする等を定める欧州委員会規則のこと

“リコンパウンディング”で目指すもの
 「リコンパウンディング」とは、「リマニュファクチャリング」と「コンパウンディング」を組み合わせた造語で、リサイクル原料を含むベース樹脂および様々な成分を複合化し、単純な再生樹脂以上の機能や価値を発現させること、と同社は定義している。
 同社のエンプラ製品は熱可塑性樹脂であって、原理的にはすべてメカニカルリサイクルが可能だが、エンプラが使われる用途は耐久性・信頼性が求められるものが多く、単純な「樹脂再生(熱で廃プラを変形させペレット形状に戻すこと、いわゆる「リペレット」)」では要求品質・要求性能を満たせないケースが多い。ポリプラスチックスは、エンプラ専業メーカーとして蓄積した材料技術・生産技術・応用技術的知見を活かして、「リペレット」ではなく「リコンパウンディング」によって単純な再生樹脂以上の機能と価値を生み出し、メカニカルリサイクル材料の適用用途を拡大することで、エンプラ100%循環化の実現に貢献していく。

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