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2025/5/15

【SBRラテックス、ABS樹脂】双日、日本エイアンドエルの株式を取得し子会社化

 双日住友化学三井化学の3社は、SBRラテックスならびにABS樹脂の製造・販売・研究開発を行う日本エイアンドエルの株式売買契約を締結した。今後、必要な手続きを経て、2025年7月には、双日が日本エイアンドエル株式の66.5%を取得し、連結子会社とする予定。

 日本エイアンドエルは、住友化学と三井化学の出資による合弁会社。電気自動車(EV)用などで需要が拡大しているリチウムイオン電池(LiB)の負極バインダー用SBRラテックスでは高い技術力を持つ世界的なサプライヤーとして、また、紙加工用のSBRラテックスでは日本でも有数のサプライチェーンを有し、いずれも高い評価を受けている。また自動車や家電に使用されるABS樹脂では、高い技術力に裏付けられた安定した顧客基盤を国内外に有している。

 住友化学は、「Leap Beyond~成長軌道へ回帰~」のスローガンのもと、新成長戦略による事業ポートフォリオの見直し、構造改革の継続的な遂行による事業構造の一層の強靭化、財務・資本効率の改善などに取り組んでいる。そうした中で、今後も日本エイアンドエルが持続的に成長していくためには、どのような施策が必要であるか検討してきた。 

 その結果、双日が、LiB分野の黎明期から日本エイアンドエル製品を含む関連部材を取り扱っており、事業の知見や経験を有しているとともに同事業のさらなる強化に意欲的であること、また、双日のもつ経営資源や事業ノウハウを掛け合わせることが、日本エイアンドエルの企業価値のさらなる向上に資するとの考えのもと、このたびの一部株式譲渡を決定した。

 三井化学は、長期経営計画「VISION 2030」において「未来が変わる。化学が変える。」をありたい姿に掲げ、事業ポートフォリオの変革を基本戦略として、高成長・高収益のグローバルスペシャリティケミカル事業と、競争力のある誘導品を中核としたサステナブルなグリーンケミカル事業の2つを大きな柱とする、真のグローバルスペシャリティカンパニーを目指している。三井化学は、ポートフォリオ変革の一環として、日本エイアンドエルの強みを活かし、よりシナジー効果を発揮できる他社との連携を検討してきた。その結果、双日の傘下において新たな価値創出、企業価値の向上が期待されることから、今回の契約締結に至った。

 双日は、「中期経営計画2026」で「Next Stage」として掲げる企業価値の2倍成長に向けた成長基盤の強化に取り組んでおり、その成長を牽引する戦略的強化領域の1つ「エネルギー・素材ソリューション」分野での事業参画となる。

 化学事業は、国内外約5,000社の顧客ネットワークを有し、メタノールなどの基礎化学から、合成樹脂を中心とした機能性材料、工業塩・レアアースといった無機化学など、幅広いトレードや事業を展開している。「低炭素・環境社会に即した次世代事業の創出」を化学本部の成長戦略の1つに位置付けており、日本エイアンドエルの子会社化は、商品に対するニーズなどの知見があり既存事業とのシナジーが期待できる領域において製造事業へ参画し、収益力強化を図るもの。

 今後、双日のグローバルな顧客・物流ネットワークや人材の活用により、日本エイアンドエルのさらなる価値向上を目指すとともに、EVや蓄電池市場における事業拡大に取り組んでいく。

 

【日本エイアンドエル株式会社の概要】 

会社名

日本エイアンドエル株式会社

設立

1999年7月1日

所在地

大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友ビル

資本金

60億円(住友化学85% 三井化学15%)

※本件実行後は双日66.5% 住友化学33.5%となる予定

代表者

代表取締役社長 阪本 聡司

主な事業内容

SBRラテックスならびにABS樹脂等の製造・販売・研究開発

カテゴリー
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コンバーティングニュース

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