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2026/4/24

【エチレン】石油化学工業協会、2026年3月のプラント稼働率は68.6%で統計開始以来最低と発表

 石油化学工業協会(JPCA)は2026年4月23日、今年3月生産等実績概要をコメントとともに発表した。それによると国内のエチレンプラントの実質稼働率は68.6%で、1996年の統計開始以来、最低の記録となった。
 JPCAの コメントは以下の通り。

 「原料となるナフサおよび川中製品の在庫と併せて、少なくとも化学品全体の国内需要4カ月分は引き続き確保されている。現在、会員会社においては、中東以外からのナフサ輸入量の増加に取り組んでおり、さらなる供給継続に全力を尽くしている。
 3月の生産・出荷実績は、中東情勢の影響のほかナフサ分解炉等における定修の集中もあり、生産量は減産となったが、ナフサ等の原料調達に取り組みつつ、国内出荷においてはポリエチレンやポリプロピレンといった主要石油化学製品では前月比増、前年同月比では需要動向の変化もあり製品毎に差は見られるが、全体として供給は維持できている。
 在庫の状況についても、ポリエチレンやポリプロピレンといった主要石油化学製品では国内需要の3カ月以上の水準を維持しており、直ちに供給困難となる状況ではないと認識している。
 また、会員会社による継続的なペルシャ湾以外の地域からのナフサの代替調達の確保により、4月以降の調達も進んできていると認識している。さらには国産ナフサの確保の観点から、備蓄原油の放出による影響緩和も期待されるところである。
 当協会としては、引き続き、国及び会員企業と密接に連携しつつ関連情報収集や必要な措置の徹底など安定供給に必要な対応を行っていくこととしている。
 最後に、当協会としては、事態が一刻も早く収束し、ペルシャ湾地域における船舶の安全航行が回復することを強く求めるものである」

 3月の国内のエチレン稼働プラントの実質稼働率は68.6%で、中東情勢悪化による影響が響いた。国内のエチレン生産量も前年同月比38.8%減(17万2100トン)と大幅に減少した。設備を一時的に全停止して点検や修繕等を行う定修が4社4プラントあり、加えて、原料面での制約により稼働率が抑制されたことが重なった。JPCAは「安定供給が可能な在庫レベルを維持しながら原料調達に取り組みつつ、全体としては供給を維持している」としつつ、「ホルムズ海峡は封鎖された状態で、(原料が出てくる)蛇口は閉じた状態。見通しは依然として不透明」とした。

 主要石油化学製品生産実績は、LDPE, HDPE,  PP、塩ビ樹脂、塩ビモノマー、SBR、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの14品目がマイナス。SM, EG, BR の3品目のみプラスとなった。

 前年比も同様に、稼働率要因や定修規模差等から、LDPE, HDPE, PP, PS, SM、塩ビ樹脂、塩ビモノマー、MMA モノマー、EO,  EG, SBR, BR、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの17品目全てがマイナスとなった。

 低密度ポリエチレンLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)の主要4樹脂はいずれもマイナス。

 消費のマインドとしては、暮らし向きや雇用環境、耐久消費財の購入の面で前月に比べて弱含みが見られている。他方、国内の生産活動自体は、3月時点の予測では電子部品・ディバイス、電気・情報通信機械では上昇が見られており、トレンドとしても弱気と見る動きが薄らぎつつある。

 汎用樹脂の出荷は、前月比は、ユーザー側の稼働日数の増加に加えて、先行きの原料情勢の不透明感も加わり LDPE, HDPE, PP,  PS とも2桁台の増加となった。前年比は LDPE, PS はプラス、HDPE, PP はマイナスとなるなど製品によって差が見られている。

 分野別の出荷状況は、前年比で、フィルム等の包装材分野は、LDPE, PS はプラスとなるも、HDPE, PP はマイナスとなった。

 包材以外の出荷分野では、LDPE はラミネート分野、電線被覆分野等がプラス、HDPE は中空成形分野のみがプラス、PP は射出成形分野、押出成形分野等がプラス、PS は電機・工業用、雑貨・産業用、FS 分野ともにプラスとなった。

 輸出は、中東情勢の悪化を受け、アジア域内でも供給不足感が高まりつつある。前月比で LDPE, HDPE,  PP, PS ともにプラス。前年比は LDPE のみマイナスだが、他の3樹脂はプラスとなった。

 在庫量は、前月に対して、LDPE, HDPE, PP, PS で大幅に減少した。在庫率(季節調整済)は、LDPE, HDPE, PP, PS で低下した。在庫水準としては、LDPE はやや高め、HDPE は高め、PPはほぼ適正となっている。

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