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2023/12/23
【サーキュラーエコノミー】石塚硝子、太陽光発電パネルのガラスで食器製造を実証
試作したガラスコップと、使用した太陽光パネルカバーガラスのカレット(手前)
石塚硝子は、太陽光パネルの大量廃棄時代に向け、廃棄カバーガラスの再利用を実証する試験を実施した。この取り組みは、太陽光発電産業における廃棄物の有効利用を通じて、サーキュラーエコノミーの推進に寄与するもの。
太陽光発電は急速な普及を遂げているが、太陽光パネルが寿命を迎えると、その多くは廃棄されることが予測される。太陽光パネルはガラスが重量の60%前後を占めると言われており、そのガラスの活用方法が課題となっている。この廃棄されるガラスに着目し、石塚硝子はこれをガラス製造の原材料として再利用するプロジェクトを始動し検証を行ってきた。既存のガラス製品と同様の品質を維持しつつ、太陽光パネルの廃棄物を再資源化することで、環境への負荷を低減し、サーキュラーエコノミーの一翼を担う。
太陽光パネルの廃棄は、2030年以降に急激に増加することが見込まれており、その廃棄物への対策は社会全体の課題となっている。これに対して、石塚硝子は長年にわたるガラス製造の技術とノウハウを活かし、太陽光パネルのカバーガラスを再利用するアプローチを検討した。廃棄されるはずのカバーガラスを新たな価値を持つ原材料として活用することで、サステナビリティの観点から社会に貢献することを目指す。
なお、使用するガラスカレットは三菱ケミカルグループの新菱(本社:福岡県北九州市)から提供された。
今回の取り組みにより以下のような効果が期待される。
1.循環型社会への貢献
・廃棄カバーガラスの再利用により、環境負荷を低減。
・埋め立てされる廃棄物量の削減。
2.脱炭素社会への貢献
・原材料調達に伴う排出を削減し、太陽光パネルのサプライチェーン全体の脱炭素化に寄与。
・カバーガラスの再利用によりCO2排出を削減。既存のガラス原料の代替として使用することで、原料の採掘、生成、輸送、使用に伴うCO2排出を削減。
3.SDGsへの貢献
・SDG12の「作る責任、使う責任」への具体的な寄与。
・SDG13の「気候変動に具体的な対策を」への貢献。
廃棄カバーガラスを使用したガラス製品は、既存の製品と同等の品質を有している。石塚硝子は品質に厳格な基準を設け、太陽光パネルのカバーガラスの再利用においてもこれを守る。また、安全性は溶出試験を始めとした各種品質・安全性確認試験により確認されている。
なお、現時点での太陽光パネルの廃棄量は僅かであることと、長期的な品質並びに安全性の試験を継続していることから、量産設備での使用はしておらず試験での実証のみとなる。
石塚硝子グループは1819年の創業以来、ガラスびん・ガラス食器・プラスチック容器・紙容器・ペットボトル・陶磁器など、「ガラス」や「容器」をキーワードとして広範な事業領域を展開している。社会的責任を深く自覚し、技術と素材を活かして新たな挑戦を続け、お客さまと社会に豊かさと安心を提供し続けていく。
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