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2025/2/19
【サーマルラベル】大阪シーリング印刷、ボイルできる「yudemo」を発売
OSPグループの中核企業で、シール・ラベル、フィルム製品、紙器パッケージ、販促ツールまでをワンストップで製造する大阪シーリング印刷は、ボイルできるサーマルラベル「yudemo(ユデモ)」を2025年2月21日(金)に発売する。
「yudemo」は、一昨年5月に開発成功を発表した製品。この度、品質担保の実現と製造体制が整い、発売に至った。一般的にサーマル紙は熱で発色する機能があるため、高温でボイルすると黒く発色し、印字部の文字が見えなくなる。よって、サーマル紙はボイルなど加熱には不適合とされていた。しかし、サーマル塗料開発(特許出願済)や耐熱性を向上させたことで、印字部もボイル前と変わらない濃度で読み取れることができる、サーマルラベルを製品化することができた。

■開発背景
レトルト品や総菜類の製造工程において、食材を袋に詰めてボイルした直後は、余熱でサーマルラベルの色が変わるため、冷ましてからラベルを商品に貼っている。お取引先の食品メーカー様では、温度が下げるまでに時間がかかり作業効率が悪いことや、その作業のために人員が必要という課題があった。サーマルラベルがボイルできるようになれば、解決できる課題があると考え開発に着手しました。

■作業効率向上と取り間違い防止に寄与
食品業界は中食市場の拡大に伴い、レトルト食品や総菜など即食型商品の需要が伸長している。それに伴い、製造工程の作業効率や人手不足という課題も増えつつある。本製品はボイルしても印字が黒くなりにくいため、冷ます工程が不要となり作業効率が向上する。さらに、ラベルの発色を抑えることで、印字がきれいに見えて商品の取り間違い防止にもつながる。
■不可能を可能にした技術
前述の通り、サーマル紙はボイルなどの高温加熱は禁忌とされているが、OSPグループが長きに亘り培ったコーティング技術により、ボイルしても発色・退色しにくい製品化に成功した。熱湯など高温環境下においても黒く発色しないサーマル塗料開発(特許出願済)や、耐熱性を向上させボイルしても塗工層が基材から剥がれない材料を選択した。新たなサーマル塗料の開発により、ボイルしても発色しない高耐熱性のあるサーマルラベルを実現した。

■耐熱性を表したグラフ
以下はボイルできるサーマルラベル「yudemo」の耐熱性を実験した結果。図が示す通り、一般的なサーマルラベルは80℃から発色が顕著になっているのに対し、本製品は100℃付近でも発色濃度が上がっていない。
製品概要
製品名 :ボイルできるサーマルラベル yudemo
表面紙 :合成紙サーマル(PP基材)
粘着剤 :ボイル用アクリル粘着剤
剥離紙 :グラシンタイプ
対応温度 :ボイル用途(100℃以下)
特許 :出願済
※ボイル条件によって非印字部の発色や印字部の濃度が変わるのでテストを推奨
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