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2025/4/7
【再生ポリアミド6】BASF、loopamidプラントが商業生産を開始
・中国の上海に年間500トンのloopamid®生産能力を持つ生産プラントを開設
・プラントおよび製品がGRS認証(グローバル・リサイクルド・スタンダード)を取得
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はこのほど、世界初の商用loopamid®プラントの稼動を発表した。中国上海の漕涇(カオジン)拠点にあるこの生産施設は、年間500トンの生産能力を備えており、テキスタイル産業への持続可能な製品の供給における重要な一歩となる。
BASF SEの取締役会メンバーであり、最高技術責任者(CTO)のステファン・コートラーデは次のように述べている。「このプラントの稼動は、BASFの革新力を改めて実証するものである。当社の『Winning Ways(成功への道のり)』戦略に不可欠な要素として、私たちは化学を活用して、現代における最大の課題に対するソリューションを開発している。loopamid®は繊維廃棄物を価値ある資源に変え、原料の節約に貢献し、繊維の循環を実現する」
loopamid®は、繊維廃棄物のみを原料とする再生ポリアミド6である。この新しい生産施設は、テキスタイル産業における持続可能なポリアミド6繊維に対する需要の高まりをサポートする。BASFモノマー事業本部のプレジデントであるDr.ランクマー・ダルヴァは、次のように述べている。「loopamid®の商用化を達成するために、多大な情熱と献身をもって取り組んできた私たちのチームを誇りに思っている。loopamid®の技術は、スパンデックスを含むさまざまな混合繊維において、ポリアミド6の循環リサイクルを実現する。loopamid®はテキスタイルのサーキュラー・エコノミーに大きく貢献するだけでなく、当社のお客様のサステナビリティ目標の達成にも役立つと確信している」
プラントおよびloopamid®製品のGRS認証
プラントおよび生産されるloopamid®は、GRS認証(グローバル・リサイクルド・スタンダード)を取得している。この認証は、消費者とテキスタイルメーカーに対し、loopamid®がリサイクルされた原料から作られていることと、生産工程が特定の環境・社会基準に適合していることを保証するものである。すでに複数の糸メーカーによってloopamid®の利用が始まっている。
loopamid®のベースとなる製品製造工程および市場で使用済みとなった繊維廃棄物
BASFは現在、新プラントでloopamid®を生産する際にテキスタイル製造の過程で排出される産業繊維廃棄物を利用しているが、今後はポストコンシューマー廃棄物の割合を段階的に増加させる予定である。この原料には、テキスタイル産業から出る裁断くず、不良裁断、端切れおよびその他の製造で生じる繊維廃棄物が含まれる。これらの材料は、お客様やパートナーによって収集され、BASFに提供される。ポリアミド6およびその他の繊維製品から作られた使用済み衣類も、loopamid®の生産に利用することができる。このような廃棄物には通常、さまざまな繊維や素材、染料や添加物が混在しているため、リサイクルが困難である。また、ポストコンシューマー廃棄物をリサイクルする場合、ボタン、ファスナー、付属品をあらかじめ取り除く必要がある。BASFはパートナーや顧客と密接に協力し、回収・選別システムの構築を加速している。
loopamid®について
BASFは、loopamid®の技術によってファッション業界の循環性を向上させ、ポリアミド6の繊維廃棄物をリサイクルする革新的なソリューションを開発した。loopamid®の技術は、ポリアミド6やスパンデックスのようなあらゆる混合繊維に対応できるため、産業廃棄物および繊維廃棄物の繊維循環リサイクルを可能にする。これらの繊維と材料は複数回にわたってリサイクルが可能であり、材料特性は従来のバージンポリアミドと同一である。
詳しくはhttps://www.loopamid.com/を参照。

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