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2025/3/27
【半導体】SEMI、2025年のファブ装置投資額は1100億ドル到達の見込みと発表
SEMI(本部:米国カリフォルニア州ミルピタス)は、3月25日(米国時間)、世界の半導体前工程製造装置の投資額が、2025年に前年比2%増の1100億ドルに達し、2020年から6年連続成長を記録する見込みであることを、最新のWorld Fab Forecastレポートにおいて発表した。
2026年のファブ装置投資額は、18%増の1300億ドルが予測される。この投資を牽引しているのは、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)やデータセンター拡大を支えるメモリ分野だけではなく、AIインテグレーションの拡大による、エッジ・デバイスの半導体使用量の押し上げもある。
SEMI会長兼CEOのAjit Manocha(アジット・マノチャ)氏は次のように述べている。
「世界の半導体業界の製造装置投資額は6年連続で増加しており、AI関連チップの需要急増に対応するための増産に伴い、2026年の投資額は18%の大幅増となる状況です。この設備投資の増加予測は、2025年と2026年の2年間に生産を開始する予定の約50の新規ファブが必要とする技能労働者を供給するために、人材開発に向けた活動を強化することが急務であることを示しています」

<ロジック&マイクロプロセッサが半導体産業の拡大をリード>
ロジック&マイクロプロセッサが、ファブ投資の成長をリードすることが予想される。その大きな要因となっているのは、2026年までに生産開始が予測される2nmプロセスやバックサイドパワーデリバリーテクノロジーなどの最先端技術への投資。ロジック&マイクロ分野は、2025年の投資額が11%増の520億ドルが、翌2026年には14%増の590億ドルが予測されている。
メモリ分野全体の投資額は、今後2年間着実に増加し、2025年は2%増の320億ドル、2026年はさらに27%増となる見通し。DRAM分野への投資は、2025年は前年比6%減の210億ドルが予測されるが、2026年には19%増の250億ドルへと成長を回復する見込み。対極的に、NAND分野の投資は2025年に前年比54%増の100億ドルへと大幅に回復し、2026年はさらに47%増の150億ドルになることが予測される。
<中国が地域別のファブ装置投資額を引き続きリード>
中国のファブ装置投資額は、2024年のピーク時の500億ドルから減少するものの、投資額トップの地位を維持する見込みで、2025年は前年比24%減の380億ドル、2026年はさらに前年比5%減の360億ドルが予測さている。
AI技術の浸透でメモリの使用量が増加する中、韓国のチップメーカーは生産能力拡大と技術アップグレードに向けて設備投資を増額する計画であり、2026年まで投資額世界2位を占める見込み。韓国の投資額は2025年に29%増の215億ドル、2026年には26%増の270億ドルが予測されている。
台湾は、チップメーカー各社が先端技術と生産能力のリード強化に向けて、世界第3位の投資額を確保する態勢。クラウド・サービスとエッジ・デバイスの全域にわたるAIアプリケーション需要の拡大に対応するため、台湾は2025年に210億ドル、2026年に245億ドルを投じることが予測されている。
第4位となる米国は、2025年に140億ドル、2026年に200億ドルを投資する見込み。5位以降には日本、欧州・中東、東南アジアが続き、2025年にはそれぞれ140億ドル、90億ドル、40億ドル、2026年には110億ドル、70億ドル、40億ドルの投資が予測されている。
3月に発表された最新のSEMI World Fab Forecastレポートは、世界の1500以上のファブ/ラインをカバーしており、これには2025年以降に生産を開始すると予想される156のファブ/ラインが含まれている。
World Fab Forecastレポートのサンプルはこちらからダウンロードできる。
SEMIの各種レポートの詳細は、ウェブページを参照。
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