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2026/4/17
【海藻由来の接着剤】博展、we+とセメダインと共同で水で剥がせる『LOOPGLUE(ループグルー)』を開発
博展は、コンテンポラリーデザインスタジオ we+、およびセメダインと共同で、「高い接着性能」と「水で簡単に分解できる特性」を両立した海藻由来のアルギン酸ナトリウム系接着剤『LOOPGLUE(ループグルー)』を共同開発した。

1. 共同開発の背景と活用
開発の背景
島国である日本にとって、身近な“資源”である海藻は、食品産業だけでなく、コスメティック、バイオプラスチック、バイオエネルギーなどの分野で活用され始めている。しかしながら、海藻は、その潜在的な利点をまだ活かしきれていない、未活用資源と言われている。
そこで、リサーチと実験に立脚した手法で新たな視点と価値をかたちにするwe+と、資源循環型イベントの実現を目指す博展は、海藻の新たな活用の可能性を探ることを目的とした、共同リサーチプロジェクトを2023年にスタートさせた。海藻の特性を探る実証実験の中で、そのヌメリ成分に着目。モズク由来のアルギン酸ナトリウムを主成分とした溶液が、木材と紙をしっかりと接着しながらも、水をかけるときれいに剥がせる特性があることを発見した。製品化にあたり、日本を代表する接着剤メーカーであるセメダイン社に参画を仰ぎ、100%自然由来の海藻を原料とするアルギン酸ナトリウムを用いた新たな接着剤の開発を行い、本製品の完成に至った。
製品の活用
博展が多数のプロジェクトを有する展示会業界では、木工造作物に接着剤で壁紙を貼る「表具工事」が一般的ですが、使用後にきれいに壁紙を剥がすことが困難で、木工壁面をリユースする際の品質維持や多大な作業工数が課題となっていた。
そこで、壁面や什器などの木工造作物において、LOOPGLUEを使用して表具仕上げを行うと、水をかけるだけで表具をきれいに剥がすことが可能になる。壁紙の剥がし残りが発生せず、木工パネルを傷めることなく再利用できるため、リユース時にも新品同様の状態で使用することができる。この特性により、壁面パネルを制作する際の木材の資材調達費および制作にかかる人件費を、それぞれ約15%削減できると見込んでいる。
また、多孔質素材同士をLOOPGLUEで接着することで、什器などを分解可能な構造とすることができます。これにより、使用後には素材や部材の単位まで戻して再利用することが可能になる。
さらに、LOOPGLUEは溶剤等、健康に悪影響を与えやすい物質を含まず、かつ自然由来の水系接着剤であるため、高い安全性が求められる教育現場などでも安心して使用することができる。


2. 製品の特長・概要
- 優れた易解体性:水に浸すことで簡単に分解・剥離を可能にし、資材の再利用が容易にできることで資源循環に貢献
- 強力な接着力:環境配慮型でありながら、従来の壁紙施工用接着剤と同等以上の高い接着強度を実現
- 高い環境性能:海洋資源を有効活用し、自然由来の原材料を使用することで環境負荷の低減に貢献

同製品の原料となる海藻は、南米チリより、生態系を崩さぬよう自然のライフサイクルを終え海岸に漂着したもののみを拾い集めるかたちで採取されているものを採用しているとともに、現地の雇用の創出にもつながっている。また、厚生労働省による化学物質の室内濃度指針値に策定された13物質ほか、危険有害性のある成分を含まない。
【製品詳細】
| 製品名/規格 | LOOPGLUE / 20kg ポリ袋入り段ボール |
| 主成分 | アルギン酸ナトリウム |
| 外観 | 淡黄色半透明液体 |
| 主な用途 | 展示会ブースの木工造作における表装工事用 ・作業性良好(夏・冬場) ・高温多湿環境で使用される部材にも使用可 ・貼り合わせた部材は水により容易に解体可能 ・防腐剤配合 |
| 被着材料 | 紙、壁紙、木材、モルタル、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード 等 |
| 使用方法 | 刷毛やロールコーターで部材に塗布して使用 |
| 備考 | 特許出願中 |
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