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2025/2/27

【無架橋低発泡PPシート】古河電工、植物由来樹脂を使用した「エフセル」を開発

 古河電気工業は、植物由来の樹脂を使用した無架橋低発泡ポリプロピレンシート「エフセル」を開発した。

 一般的な低発泡ポリプロピレンシートでは、バージン材の使用が主流だが、近年は環境に配慮した製品に関する要望が増加している。文具や梱包材、緩衝材など幅広い用途で使用される無架橋低発泡ポリプロピレンシートのエフセルシリーズにおいても、再生材を使用(RCグレードでは50%以上)するなど、環境に配慮した製品の開発に取り組んできた。

 同社が長年培ってきた組成開発技術を活かして、再生材の使用率を従来品(RCグレード)の50%から60%へ高めるとともに、植物由来樹脂を20%使用した無架橋発泡体の実機試作に成功した。また、試作ラインにおいては植物由来樹脂を100%使用した無架橋発泡体のサンプル取得にも成功した。これらの開発品は、環境配慮が求められる電子機器や医療機器の部材にも用いることができる。なお、2製品とも本年中に量産化する計画だ。

材料従来品(RCグレード)開発品①(実機試作)開発品②(試作ライン)
バージンポリプロピレン50%20%0%
再生ポリプロピレン50%60%0%
植物由来樹脂0%20%100%

 同社の従来品(RCグレード)と比較したときの製品単位当たりのCO2排出量は、開発品①(再生材60%・植物由来樹脂20%)は約7%削減、開発品②(植物由来樹脂100%)は約22%削減される(注1)。なお、従来品(RCグレード)と開発品2品を製造するAT・機能樹脂事業部門平塚工場(神奈川県平塚市)では、2022年10月より、使用する全電力をグリーン化している(注2)

(注 1)当社算定ルールに基づき算定。原材料調達から製品出荷までのCO2削減率を求めた計算結果。植物由来樹脂は植物が成長する過程でCO2を吸収するため、環境配慮原料として近年注目されている
(注 2)全電源平均電力にFIT非化石証書(トラッキング付)および再生可能エネルギー指定の非FIT非化石証書(電源属性情報有)を組み合わせたRE100対応の実質的再生可能エネルギー由来電力

 

古河電工 平塚事業所 グリーン電力導入でCO2削減

無架橋低発泡ポリプロピレンシート エフセル

 エフセルは、独自の押出ガス発泡技術による無架橋低発泡ポリプロピレンシート。なめらかな表面性、軽量性、加工性の良さから主に文具ファイルの表紙や通い箱の仕切り材、スペーサ、養生材、筐体など様々な用途で使用されている。

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