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2024/3/14

【資源循環】アチハとイボキン、風力発電機ブレードの100%リサイクル実証工事に成功

 風力発電関連事業を行うアチハと解体工事・産業廃棄物処理・金属リサイクル事業を行うイボキンは、共同の取り組みとして、2023年に兵庫県で請け負った風力発電機の解体工事で、不用になったガラス繊維強化プラスチック(GFRP)製の風力発電機ブレードを国内のセメント工場でセメント再資源化処理を行い、その結果、トレーサビリティが取れた100%リサイクルすることに国内で初めて成功した。

 今回のリサイクル実証工事では、イボキンとアチハが風力発電機を解体、解体後に回収したブレードをイボキン本社工場でセメント工場が受入しやすい様に中間処理を行い、太平洋セメントグループの敦賀セメントでセメント再資源化を行った。
 中間処理された廃ブレードは敦賀セメントのセメント製造設備であるロータリーキルンで熱源利用(サーマルリサイクル)される。また、ガラス繊維を多く含有する焼却残さはロータリーキルン内で溶融、焼成され、セメントクリンカ(中間製品)の原料として取り込む(マテリアルリサイクル)ことで100%有効活用した。

 従来、国内では風力発電機ブレードは風力発電機解体後に適切な処理方法が存在しなかったため、ほぼ埋め立て処分が行われていた。
 今後、風力発電市場は飛躍的拡大が見込まれ、それに伴って風力発電機のリプレイス案件、廃止案件も増加すると想定されるが、本来、自然エネルギーを利用したクリーンな事業であるにもかかわらず、役目を終える際に大量の廃棄物を生み出すことになり、環境負荷をもたらしてしまう課題が国内外で指摘されている。風力発電業界の発展に伴って発生する課題の1つに答えを出すことができたことは大変意義のある実証工事であった。
 イボキン、アチハは国内トップクラスの風力発電機解体工事の実績があり、その廃材処分も行ってきたので、廃棄物のデータも蓄積してきた。
 今後も実績、経験、データに基づいて、SDGsの観点から、風力発電機ブレードのリサイクルを通じて国内の風力発電設備の普及・拡大に貢献していく。

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