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2024/5/28
【PCIM Europe 2024】田中貴金属グループ、パワーデバイスに使用されている製品を一挙展示
田中貴金属グループの製造事業を展開する田中貴金属工業と田中電子工業は、2024年6月11日~13日まで、ドイツ・ニュルンベルクで開催されるパワーエレクトロニクスとその応用分野に特化した業界最大の国際専門見本市「PCIM Europe 2024」に、昨年に引き続き出展する。ブースでは、パワーデバイスに使用されている製品を一挙展示する。ブース番号はHall 9の649。
パワーデバイスは、電力の制御や変換に特化した半導体で、高い電圧に耐え、高電流を制御できる点が特徴。次世代モビリティ、特に電気自動車(EV)とハイブリット車には欠かす事のできない存在であり、産業機械、鉄道、重電といったインフラ分野でも必須の技術。また、電力変換やスイッチングのエネルギーロスも抑え、近年では省エネルギー実現に欠かせないキーデバイスとして注目されている。そのような背景から、パソコンやスマートフォンといったデジタル端末、テレビやエアコンなどの家電製品、さらには、人工衛星、次世代通信基地局など、幅広い分野で使用されている。パワーデバイス分野では、高出力化や高効率化が求められており、各部材において、高放熱・高耐熱・高信頼性に加え、さらなる小型化にも対応する新たな材料の開発が必要となっている。
田中貴金属グループでは、パワーデバイスに使用されるさまざまな先端材料のなかでも貴金属素材および素材加工技術について研究・開発し、市場に供給している。
<主な出展製品>
「Al(アルミニウム)ボンディングワイヤ・リボン」「Cu(銅)ボンディングワイヤ・リボン」といった、半導体チップと外部電極を電気的に接続する金属であるボンディング製品と、パワーデバイス用セラミックス回路基板やヒートシンク等の放熱部材への適用が期待されている「活性金属ろう材/銅 複合材」、そして、半導体チップをリードフレームや有機基板に接着(ボンディング実装)するAg(銀)を用いた「ダイボンディング材」など。
●パワーデバイス用Al・Cuボンディングワイヤおよびリボン
車載グレードの高純度かつ表面性に優れたAlとCuのボンディングワイヤ(100~500µm)およびリボン(幅0.5~2.0mm)を提供している。アルミは耐食性に優れた材料であることから過酷な環境下で大電流を駆動するパワーデバイス用途に多く採用されている。また、より電気伝導性に優れた銅材料のパワーデバイス用ワイヤも提供している。
●活性金属ろう材
活性金属ろう材は、ろう材にTi(チタン)を添加することで、一般的なろう材では接合不可能な、セラミックスを直接ろう付することができるろう材。種々なセラミックスをメタライズなしで、ろう付可能。Sn(すず)を添加した独自の合金成分により、ろう材に添加されたTiを微細に分散させている。これにより、板厚50umTの提供が可能となった。銅材に活性金属ろう材を複合化した材料も提供しており、パワーデバイス用セラミックス回路基板やヒートシンク等の放熱部材への適用が期待される。
● ダイボンディング材
パワーデバイス用途のSi(ケイ素/シリコン)、次世代半導体SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)に対応するダイボンド用導電性接着剤。高熱伝導と高信頼性の両立が可能なハイブリッド接合タイプと200W/m・Kを超える高熱伝導シンタリングタイプをラインナップに揃えている。
ドイツ市場開拓への期待
ドイツのパワー半導体最大手企業がSiCを最初に製品化するなど、パワーデバイス市場においてドイツは先進的で、技術開発のマーケットリーダーであると認識している。田中貴金属グループは、今後、さらに高度化が求められるパワーデバイス・パワーデバイス組立分野において、貴金属の技術を生かしたさまざまな製品の展開をドイツでも加速させたいと考えている。今年6月に出展するPCIM2024では、ドイツのパワーデバイス市場における田中貴金属グループのさらなる認知向上を目指す。
田中貴金属工業執行役員の工藤徳行氏は、「ドイツのマーケットには大きな可能性があります。田中貴金属グループは、貴金属素材や長年蓄積してきた加工技術を用いて、革新的な技術を提案し、より高性能なパワーデバイスの実現に貢献していきます。最先端の素材技術は、世の中の電力消費の効率化と、ひいては環境問題の解決にも寄与すると考えており、ドイツでも我々の試みを紹介できれば嬉しいです」と話している。
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