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2026/4/15

【PEF】東洋紡、PETを超える剛性・ガスバリア性を持ち100%植物原料由来のポリエチレンフラノエートフィルムを開発

新開発のPEFフィルム

 東洋紡は、業界で初めて※1、100%植物原料由来のポリエチレンフラノエート(PEF)樹脂を使用した二軸延伸フィルムを開発し、6月よりサンプル提供を開始する。PEFフィルムは、100%バイオマス由来でありながら石油由来のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムよりも優れた、約1.6倍の剛性※2と酸素に対する約10倍のガスバリア性※3を実現した。これにより、電子デバイス向けなどの工業用途において部品の信頼性の向上や高性能化に貢献する。

一般的なPETフィルムとPEFフィルムの原料の違い

 同社がこのほど開発したのは、100%バイオマス由来でありながら、熱可塑性樹脂による二軸延伸フィルムとして業界最高レベル※1の剛性を備えたPEFフィルム。独自の製膜技術により、PEF樹脂の配向・結晶化条件を最適化することで、元来備えている環境性能に加えて、PEFフィルム素材特有の高剛性・高ガスバリア性を十分に発現させることに成功した。

 PEFフィルムは、一般的に工業用途に使用されるPETフィルムと比較して約1.6倍高剛性化したことで、強度・耐久性を維持しながら薄膜化が可能。加圧・折り曲げによるシワや変形の影響を抑制できるので、電子部品の小型化・軽量化や液晶ディスプレー表面の傷つき低減、音響部材の高周波数特性向上などに寄与する。また、PETフィルムに対して、酸素で約10倍、水蒸気で約2倍のガスバリア性を備えており、保護フィルムとして使用した場合に、輸送中や使用環境における電子部材の酸化進行や水分の侵入を抑制し、長期的な信頼性の向上が期待できる。

 同社は今後、100%バイオマス由来の環境性能と、工業用途に適した剛性・ガスバリア性を兼ね備えたPEFフィルムについて、顧客のニーズに応じて素材の特性を最適化しながら、光学、表面保護、離型、電子部材などの幅広い工業用途向けに積極的に展開を図り、2035年までの早期実用化を目指す。

■ポリエチレンフラノエート(PEF)

 PEFは、PETと類似した分子構造と特性を持つ100%バイオマス由来の新しいプラスチック。PETが石油由来のテレフタル酸とエチレングリコールを原料とするのに対し、PEFは100%植物由来のフランジカルボン酸とエチレングリコールを原料として製造されるため、カーボンニュートラルに貢献するサステナブルな素材として注目されている。また、PEFは高い環境性能だけでなく、剛性やガスバリア性などに優れることから、フィルム製品を含む幅広い用途での活用が期待されている。

 

■展示実績

 2025年の11月12日(水)~14日(金)まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催された「第5回 サステナブル マテリアル展 -SUSMA-」にPEFフィルムを初出展した。

 

 

※1

:2026年4月14日時点、フィルム業界として初。同社調べ。

※2

:剛性(腰の強さ)とは、材料に力が加わった際の変形しにくさを示す性質のこと

※3

:ガスバリア性とは、酸素、水蒸気(湿気)、二酸化炭素、香気成分などの気体分子を、通過させない(遮断する)性質のこと

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