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2024/9/19

【REPORT】ゼブラ・テクノロジーズ、「2024年製造業のデジタル変革に関する展望調査」発表。AI導入増加の見込み、データ活用が可視性向上の鍵に

 企業のデータ、資産、従業員のスマートな連携を可能にするデジタルソリューションのリーディングカンパニーであるゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーション(NASDAQ:ZBRA、以下「ゼブラ」)は9月19日、「2024年製造業のデジタル変革に関する展望調査」を発表した。それによると、世界の製造業者の61%が2029年までにAIによって成長が加速すると期待しており、2024年の41%より増加している。アジア太平洋地域(APAC)の回答はそれぞれ68%と46%であった。このAI導入の急増は、世界 92%、APAC 87%の回答者がデジタル変革を優先事項としていることと合わせると、データ管理を改善し、製造プロセス全体の可視性および品質を向上する新しいテクノロジーを活用したいという製造業者の意向を強調している。
 製造業者にとってデジタル変革は優先事項である一方、世界およびAPACの回答者の30~40%はこれを達成するために労働力のコストと確保、テクノロジーソリューションの拡張性、IT(情報技術)とOT(制御・運用技術)の統合といった多くの課題があることを認識している。
 可視化は、AIや他の新しいテクノロジーの採用による変革の第一歩。これにより製造業者はデータをより効果的に活用して課題やプロジェクトを特定し、対応し、優先順位を付けることができ、着実に最大限の効果を得ながら製造プロセス全体で段階的に効率化を進められる。

可視化のギャップを埋めることに注力
 製造業者はデジタル変革が戦略的優先事項であると認識しているにもかかわらず、完全なコネクテッドファクトリーの実現は捉えどころがないままである。可視化は製造現場の効率と生産性、品質を最適化する鍵ですが、大きなギャップが残っている。製造プロセス全体で進行中の作業をリアルタイム監視している世界の製造業者はわずか16%で、APACでは25%であった。
 世界の製造業者の57%(APAC 63%)は2029年までに生産およびサプライチェーン全体の可視性が向上することを期待している一方、33%(APAC 38%)の経営陣は、投資先についてITとOTの同意獲得がデジタル変革を妨げる要因になっていると回答している。このような障害に加え、世界の製造業の経営陣の86%(APAC 82%)は技術革新の速度についていくことや、工場やサプライチェーンを通してデバイス、センサー、テクノロジーを安全に統合することに苦労していると回答している。

労働力の増強、価値と効率の向上

 製造業者は、今後5年間で製造現場を変革し、スキルの高い労働力を育成するため、AIや他のテクノロジーを使って労働者を統合、強化する成長戦略に転換しつつある。世界の製造業者の73%(APAC 76%)は、データとテクノロジーの利用スキルを高めるための従業員のリスキリングを計画しており、70%(APAC 75%)はモビリティ対応のテクノロジーで従業員を強化したいと考えている。
 製造業者が採用しているテクノロジーツールは、タブレット(世界 51%、APAC 52%)、モバイルコンピュータ(世界 55%、APAC 53%)、従業員管理ソフトウェア(世界 56%、APAC62%)など。6割(世界 61%、APAC 65%)はウェアラブル・モバイルコンピュータを活用して変化する労働力の強化を計画している。
 経営幹部、IT、OTを含む製造業のリーダーは、労働力におけるイニシアチブがテクノロジーによる労働効率や生産性の向上にとどまらないことを理解している。世界とAPACの回答者の6割は、従業員の継続的な能力開発、再トレーニング/スキルアップ、将来の人材を引き付けるキャリアパスの展開を組織にとっての優先事項に位置付けている。

自動化による品質の最適化
 あらゆる分野の製造業者は、より少ないリソースでより多くの作業をこなさなければならず、品質の追求は厳しさを増している。調査によると、現在の最も重要な品質管理の問題として、リアルタイムの可視化(世界 33%、APAC 40%)、新しい基準や規制への対応(世界 29%、APAC 30%)、データの統合(世界 27%、APAC 31%)、トレーサビリティの維持(世界、APACともに27%)が指摘されている。
 製造業者のテクノロジー導入計画は、これらの課題に対応している。今後5年間でロボット(世界 65%、APAC 72%)、マシンビジョン(世界、APACともに66%)、RFID(世界 66%、APAC 72%)、固定式産業用スキャナ(世界 57%、APAC 62%)の導入が予定されている。製造業者の多くが、これらの自動化ソリューションを推進するさまざまな要因として、従業員への価値の高い作業の提供(世界 70%、APAC 75%)、サービスレベル契約の遵守(世界 69%、APAC 70%)、工場フロアへの柔軟性の追加(世界 64%、APAC 66%)といった必要性があることに同意している。 
 ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンの古川正知社長は次のように述べている。
 「製造業のデジタル変革は段階的なアプローチが重要です。バーコードスキャナやモバイルコンピュータなどによる現場作業の効率化と基本的なデータ収集からはじめ、徐々に高度なツールを取り入れて意思決定の自動化に移行することで、生産性や品質、イノベーションを改善し、同時にリスクと抵抗を最小限に抑えることができます。ゼブラはワークフローを自動化および強化するソリューションを製造業者に提供し、人とテクノロジーが協働するコネクテッドファクトリーの実現を支援します」
 可視性の向上、品質の最適化、労働力の増強によりコネクテッドファクトリーを推進するため、ゼブラは戦略的なインサイトとテクノロジーを製造業者に提供する。

アジア太平洋地域のその他の結果
・ APAC の工場フロア全体でマシンビジョンを使用している製造業者はわずか30%だが、今後5年以内に67%がこのテクノロジーを導入することを決定または予定している。

「2024年製造業のデジタル変革に関する展望調査」概要

 ゼブラはAzure Knowledge Corporation(調査会社)に委託し、自動車、電子機器、食品・飲料、医薬品・医療機器などさまざまな製造部門の経営幹部、ITおよびOTの意思決定者を対象に、1,200件のオンライン調査を実施した。対象地域はアジア、ヨーロッパ、中南米、北米。

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