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2026/5/12
【SM, LDPE, HDPE】旭化成、2030年に水島製造所での生産を終了
旭化成は、5月12日に開催された取締役会で、2030 年度を目途として同社水島製造所の一部誘導品事業の再構築を進める方針について決議した。
1.はじめに
昨今ナフサ不足を背景とした石油化学製品の供給不足が報じられているが、5月 12 日時点では、三菱ケミカル旭化成エチレン(AMEC)水島工場のエチレン製造設備および関連する誘導品設備はいずれも稼働を継続している。また、AMEC では当面のナフサ調達について目途を付けており、誘導品についても当面、供給が滞る事態は想定していない。引き続き安定稼働を維持し、国内における石油化学製品の需要に応えていくよう努めていく。
2.石油化学産業の現況と同社の方針
日本の石油化学産業は、社会生活全般を支える重要な産業に位置付けられているが、国内人口減少に伴う内需の長期的な縮小や、これまで主要な輸出先であった東アジア地域における競争力の低下を背景に、長期的な稼働低迷を余儀なくされている。さらに、カーボンニュートラルの推進という社会的要請にも応えていく必要があり、構造的な課題を抱えている。こうした状況を踏まえ、日本の石油化学産業は、これらの課題を克服し持続的かつ強靭な産業へと転換していくことが必要となっている。
このような環境の下、同社はケミカル事業の在り方について、以下の考え方に基づき検討を進めてきた。
① 業界全体で稼働が低迷する事業については統廃合を通じ稼働改善を図ることで将来の供給力強化につなげる
② 同社が強みを保持する事業については今後も継続させ供給責任を果たす
③ カーボンニュートラルの推進に寄与する
これらに基づく施策の推進は、上記の構造的な課題の解決に貢献し、日本の石油化学産業の強靭化に資するものであると考えている。
3.今回の決議の詳細
今回の決議は、前項①の方針に基づき、水島製造所における一部誘導品の再構築を決定したもの。
50 年以上にわたり国内外の顧客に供給してきたスチレンモノマー(SM:1965 年操業開始)およびポリエチレン(LDPE:1964 年操業開始、HDPE:1970 年操業開始)につきいては製品群の稼働率が低水準で推移しており、これらの状況は構造的かつ不可逆的であると判断したことから、生産を終了することを決定した。
また、アクリロニトリル(1962 年操業開始)およびポリカーボネートジオール(2003 年操業開始)については、同社グループの海外拠点を含めたグローバルな供給体制の最適化を進めることとし、アクリロニトリルについては国内生産能力の縮小、ポリカーボネートジオールについては国内工場での生産を終了する。
今回の生産終了にあたっては、サプライチェーン全体で代替品への切り替えに相応の期間を要すると認識している。このため、切り替えに伴う懸念を1つひとつ確実に解消するための移行期間として約4年を設け、2030年度を目途に生産を終了する。生産終了までの間、取引先様への安定供給の維持を最優先とし、供給責任を果たしていく。
生産終了を決定した誘導品の国内生産能力は、他社を含め国内需要を十分に上回っており、2030年度を目途とする同社の生産終了は、産業全体における関連設備の稼働率向上を通じて、石油化学産業のサプライチェーンの強靭化に資するものと考えている。
なお、同社は今回の決定と並行し、前項③の方針に基づき、バイオエタノールを原料としてエチレン・プロピレン等のグリーン基礎化学品を製造する技術「Revolefin」の社会実装を推進していく。これにより、カーボンニュートラルの実現に貢献するとともに、石油への過度な依存からの転換を目指す。
4.再構築を行う事業の概要
(1)2030 年度を目途に生産終了する製品

(2)供給体制を再構築する製品

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