66協調ロボット「TMシリーズ」(これはアーム長900 mm・約12kgのもの)。ハンド部分は、自社開発のエア吸引式の吸盤を取り付けてある(中央の銀の筒状のものがカメラ付ビジョンシステム)。紙束の側面に青いチューブからエアが吹き込むことで紙を分離し、さらにハンド部の吸盤がエアを吸うことで、枚葉紙が1枚ずつ吸い付いているだと言いつつも、実際のハード製造の工場は東南アジアなどに移行してしまい、設計・組立の技術は他国に流れており、またロボットも目新しい製品ではなくなった今、海外メーカーでも日本と同じようなモノが作れてしまう状態にあっては、さらなる成長は難しいと感じています。今後、自社の成長を担うカギになるのはハードよりはソフト、つまりハードを動かすプログラムの方ではないか。そんな考えもあって、現在はラミネーターとロボットの最適な組み合わせについて、自社のラミネート加工現場などで使ってみながら、色々な活用の道を模索しているところです」持ち運びも成功している。TMシリーズは、ただ1つだけの作業をするだけでなく、様々なワークの動作も学習させることができるため、たとえばラミネーターへの基材搬送のほか、ラミネーターの運転立ち上げなども対応できるとみている。 「このロボットアーム自体は、何でもできると言っても過言ではありません。目下の課題は、『ロボット、どう使ったら良いの?』と戸惑っているお客様に、現場作業にこのロボットがどう寄与できるか、困りごとにどう応えられるかを提案することですね」と話すの人と“協調”する、色々使える汎用ロボットアーム 今回、同社がデモ機として導入した協調ロボット「TMシリーズ」は、オムロンが2018年10月より販売しているアーム型ロボット。アーム先端(ハンド)を用途ごとにさまざまに取り替えることで、生産ライン上への部品の設置や取り出し、箱詰め、ねじ締めといった人が担っていた単純作業を代替でき、オムロンの自社工場をはじめ少量多品種の部品生産の現場などで採用されている。ハンド部分には、画像認識が可能なビジョンシステムが標準搭載されており、パターンマッチングやバーコードの読取、カラー識別などの画像センシング機能を持ち、画像登録によって検査・計測、仕分け作業などが可能となる。 2019年に大成ラミネーターがデモ機として導入したTMシリーズは、現状では「ラミネーターに通す枚葉シートをコンベアに乗せる」という動作に成功している。試運転では、1度に2枚の汎用A4オフィス用紙を束から同時に持ち上げ、コンベア上に並べて置く、という一連の動作が披露された。デモ機では枚葉紙を使用したが、フィルムの
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