コンバーテック2021年10月号プレサービス
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88図1 DX推進指標 「経営のあり方と組織整備」のクエスチョンをざっくりとアレンジして、コンバーティング業界の皆さまの自己診断用に4つほどの問いを提示してみよう。①〜④の各問いに対して、以下の観点から3点満点で回答し、自己採点いただきたい。 段階0:実行に向けた計画が立案されていない(0点) 段階1: 実行計画は出来上がっているが、取り組みは未 段階2: 実行計画に基づいて、取り組みも一部着手して 段階3: 実行計画に基づいて取り組みが順調に進捗し、 なお、仮に取り組みに着手していても、経営レベルでの戦略や計画がない場合は「段階0」としていただくとよいだろう。①経営としてのビジョンの設定〜DXが顧客視点の価値を生み出すためのビジョンを明確に示せているか〜 コンバーティング業界の製造業では、特に製造、購買・調達などの領域で人力・ローテクに回っている既存の業務が多く、業務改善や効率化に目が行きがちである。しかし、マイナスをゼロに近づける活動にとどまらず、DXによって可能となる新たな顧客価値の創出や課題解決の方向性など、プラスを生み出すためのビジョンをまとめることが求められる。自己診断では、IR資料や中期・長期経営計画、経営会議資料、プレスリリースを振り返るとよいだろう。②経営トップのコミットメント〜DX推進のための組織整備にトップがコミットしているか〜 コミットメントとは、単に「DXをやろう(やれ)」と号着手である(1点)いる(2点)実運用が始まっている(3点)Copyright @TECH CONSIGLIE Inc. All rights reserved.出所:経済産業省「『DX推進指標』とそのガイダンス」よりDX推進のための経営のあり方、仕組みDX推進の枠組み(定性指標)ビジョン経営トップのコミットメント仕組みマインドセット、企業文化推進・サポート体制人材育成・確保戦略とロードマップバリューチェーンワイド持続力DX推進の取り組み状況(定量指標)DXによる競争力強化の到達度合いDXの取り組み状況体制KPI評価投資意思决定、予算配分推進体制外部との進携事業部門における人材技術を支える人材人材の融合事葉への落とし込みキークエスチョンDXを実現する上で基盤となるITシステムの構築ITシステム構築の枠組み(定性指標)ビジョン実現の基盤としてのITシステムの構築ITシステムに求められる要素IT資産の分析・評価廃棄競争領域の特定非競争領域の標準化・共通化ロードマップIT資産の仕分けとプランニングガバナンス・体制体制人材確保事業部門のオーナーシップデータ活用の人材連携プライバシー、データセキュリティIT投資の評価ITシステム構築の取り組み状況(定量指標)ITシステム構築の取り組み状況サブクエスチョンデータ活用スピード・アジリティ全体最適2.『DX推進指標』とは何か まずは『DX推進指標』についてごく簡単におさらいしておきたい。図1にその全体像を示す。 DX推進指標は、DXに関する自社の課題を把握・共有することで必要なアクションを実行できるようにすることを目的としたクエスチョン群からなる。各クエスチョンの説明は割愛するが、注目すべきはその全体構成である。「DX推進のための経営のあり方、仕組みに関する指標(以下、「経営のあり方や組織整備」)」と「DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築に関する指標(以下、「ITシステムの構築」)」の2部構成となっており、それぞれに定性指標(枠組みの有無)と定量指標(実際の取り組み状況)がある。この中の各クエスチョンに対して、項目の達成度に合わせた成熟度が定義されており、クエスチョンに回答することで、各企業は自社のDX推進の立ち位置を認識できるようになっている。 この構成から経産省のDXに対する考え方がうかがえる。すなわち、通常はブルーで示されている「ITシステムの構築」に目が行きがちだが、先にグリーンで示されている「経営のあり方や組織整備」を進めることが重要だというものである。しかも、「経営のあり方や組織整備」は「ITシステムの構築」の事前準備という程度のものではなく、全体構成の半分を占めている。本連載第1回で筆者が強調したのは、DXとは全社で血液のようにデータが駆け巡るよう経営レベルで体質を改善する活動であり、経営のあり方そのものを変革する覚悟が必要である、ということであった。そのため、経営者による強いコミットメント、それを実行する上でのマインドセットの変革を含めた企業組織内の仕組みや体制を構築すべきであるとお伝えした。まさに『DX推進指標』の姿勢と通じるものがあることにお気づきいただけたのではないだろうか。3.最初に「経営のあり方と組織整備」を自己診断してみよう

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