〇◎〇〇××△△〇×◎表1 BIS型シリコンイメージセンサと有機イメージセンサの比較(出所:展示ブースの掲示パネル)項目画素タイプRolling高解像度広ダイナミックレンジ(WDR)グローバルシャッター(GS)高解像度GS×WDR従来シリコン イメージセンサ有機イメージ GlobalセンサRolling/Globalシリコン比 4倍〇光電変換 電圧制御表2 仕様(出所:パナソニック配布資料)Diagonal 27.78mm24.58(H)mm×12.96(V)mm8192(H)×4320(V)3.0(H)μm×3.0(V)μmイメージサイズ推奨記録画素画素サイズカラーフィルタR,G,B Bayerフレームレート60fps撮影モード飽和電子数Global Shutter,Rolling Shutter45ke/450keAnalog 3.3V/1.8V電源膜に印加する電圧を調整して光電変換効率を制御する独自の光電変換電圧制御技術によって実現できる。 有機薄膜CMOSセンサは、従来のCMOSセンサの受光部として利用されてきたSi PDを、より光吸収係数が大きい有機薄膜に置き換えている。従来のSi PDの場合、入射する光を電気信号に変換し切るために2〜3μm程度の厚みが必要だった。今回の有機薄膜は光吸収係数が大きいので、Si PDの4分の1〜6分の1となる0.5μmの厚さで済む。 このため、裏面照射型CMOSセンサでも光線入射角が30〜40度だったところを、有機薄膜CMOSセンサは60度まで拡大できる。その結果、斜めから入射する光を効率よく利用できるので、混色のない忠実な色再現が可能になるとともにレンズの設計自由度が増し、カメラの高性能化や小型化につなげられる。 また、裏面照射型CMOSセンサでは、遮光膜となる金属シールドを形成するために受光部分の面積が制限される課題があった。有機薄膜CMOSセンサは、ほぼ全面に有機薄膜を形成できることから、裏面照射型CMOSセンサに対して1.2倍の感度を実現でき、暗いところでもクリアな映像を得ることができる。 有機薄膜CMOSセンサは、従来のCMOSセンサと大きく異なる点がもう1つある。従来CMOSセンサは、Si PDで、光を電気信号に変換する機能と信号電荷を蓄積する機能の両方を行っていた。これに対して有機薄膜CMOSセンサは、有機薄膜で光を電気信号に変換し、信号電荷の蓄積は金属配線のさらに下層にある回路部で行う。 光電変換を行う有機薄膜と、信号電荷の蓄積や電気信号の読み出しを行う回路部が分かれていることは新たなメリットを生み出す。有機薄膜を自由に選択すれば、波長や感度など、光電変換の特性を自由に設定できるし、回路部にはCMOSセンサに求められる高速、広ダイナミックレンジ、高飽和といったような機能に対応する回路の集積も容易になる。表1にBIS型シリコンイメージセンサと有機イメージセンサの比較を示す。図2 8K有機CMOSイメージセンサチップ(展示図3 8Kカメラ(展示ブースで許可を得て筆者撮影)ブースで許可を得て筆者撮影)コンバーテック 2021. 12117ExhibitionReport3.8K有機CMOSイメージセンサ 今回の展示では、3500万画素(8192H×4320V)の有機CMOSセンサSuper 35mm(図2、表2参照)と、有機CMOSセンサを組み込んだ8Kカメラのプロトタイプを披露した(図3参照)。また、展示ブース内に用意したひな飾りをこの8Kカメラで撮影し、リアルタイムで8Kテレビに映し出すデモンストレーションを披露した。ひな人形1つひとつの表情など細かいところがしっかり見えており、色再現性も高い。
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