コンバーティングテクノロジーセミナー2024(HYBRID)

 

現場力向上を目指す! スキルアップセミナー

Roll To Roll工程におけるフィルム乾燥技術とトラブル対策

〜プロセス設計、スケールアップにおける膜質再現、乾燥ムラ・欠陥の原因と対策〜

 

 講師:AndanTEC 浜本 伸夫 氏
 

開催日:2024年9月20日(金)
時間 10:00〜17:00
会場:NLC新大阪8号館904号室/Zoom(HYBRIDセミナー)
※Zoomでリアルタイム受講できるほか、オンデマンド・アーカイブ受講も可能です


【講師の言葉】

 『コンバーテック誌』で連載記事を執筆中の講師が、今年はRoll To Roll工程の乾燥技術について、セミナー講師を務めます。

Roll To Roll製造や新製品のスケールアップにおいて、量産品で乾燥させた塗膜の膜質を幅方向で均一に目標の状態に保つのは難しい課題です。さらに乾燥の教科書や論文は数式の羅列で。難し過ぎると感じる技術者も多いのではないでしょうか。しかし、乾燥は日々の生活で経験する現象と基本的には同じであり、概念を理解できれば感覚的に解かるはずです。

 このセミナーでは動画や計算ツールによる演習を交え、理論や難解な式を排し、「程々にイメージを持てる丁度良い解説」をします。さらに、乾燥現象に関連するトラブルとして、風ムラ、ベナールセル、発泡、白化、レベリング、ハジキ等の原因と対策を解説します。


【対象】
フィルムメーカー、コンバーターで塗工〜乾燥工程に携わる技術者、素材研究からスケールアップにかかわる技術者 ※初学者からベテランまで幅広い層に新たな知見を提供できる内容です

【講師プロフィール】

1968年 札幌生まれ。北大工学部修士を経て、富士フイルムで塗工開発と製造に従事(21年)。その後、サムスン電子で光学フィルム・バッテリー素材開発(6年)、栗村化学で粘着・離型フィルム開発と製造(2年)、米国Zymergen社でバイオ由来ポリイミド開発(1年)、ミドリ安全でニトリル手袋開発(1年)を経て、2023年から現業。Roll To Rollの「スケールアップ」、「高精度化」、「トラブル対策」を中心に顧客企業へ技術支援する傍ら、セミナー・書籍・ウェブ記事を執筆。2024年3月から対面イベント“小田原RTRセミナー”を主宰。

(Eメール nhamamoto@andantec.jp)

(ウェブサイト https://www.andantecodawara.com)
 

プログラム概要

1. はじめに

1-1. はじめに

1-2. 「減率乾燥」と「限界含水率」

1-3. 塗工と乾燥 (開発とパイロットと量産)

1-4. フィルムが利用されている製品は?

1-5. 製品に占めるフィルム要素

1-6. フィルムの構成要素 〜 厚みと層数 〜

1-7. 塗る 〜 溶かした液を塗る (Dry厚 ÷ 濃度=Wet膜厚)

1-8. 開発のステップ

1-9. 実験室とRoll To Rollの違い

1-10. 乾かし方も色々

1-11. 日常生活で関わる乾燥

1-12. 家庭の乾燥機器

1-13. 乾燥の支配因子

2. 【基礎編】 乾燥設備と溶媒の寄与

2-1. 乾燥風の供給方法 (並列と直列)

2-2. 乾燥風の供給方法 (並行流)

2-3. 乾燥風の吹き出し方式 (二次元ノズル) 

2-4. 乾燥風の吹き出し方式 (多孔板) 

2-5. 乾燥風の吹き出し方式 (浮上系) 

2-6. 溶媒の寄与 (水と他の溶媒の違い)

2-7. 乾燥に関わる物性値

2-8. 水系の乾燥速度

2-9. 塗膜の表面温度は湿球温度 (空気線図)

2-10. 比エンタルピー(=潜熱+顕熱)

2-11. 水と他の溶媒との違い (1) 蒸発潜熱

2-12. 他の溶媒との違い (2) 飽和蒸気圧

2-13. 他の溶媒との違い (3) 飽和蒸気圧と温度

2-14. 各溶媒の空気線図

2-15. 等湿球温度線 (1)水はLewis近似式

2-16. 等湿球温度線 (2) Colburn-Chiltonの相関

2-17. 物質と熱の拡散(ルイス数)

3. 定率期間と減率期間

3-1. 限界含水率と固形分濃度

3-2. 乾燥中の膜内の溶媒移動

3-3. 減率乾燥の実測 (水〜PVA)

4. 【演習】 乾燥計算の練習 (第1ラウンド)

4-1. 風量の影響

4-2. 湿度の影響

4-3. 風温の影響

4-4. 溶媒の影響

5. 減率乾燥速度

5-1. 簡易計算法 (乾燥係数 N=1/2〜2/3)

5-2. 乾燥係数をN=1にすると?(収束しない)

5-3. 減率乾燥を実測で見積もるために

5-4. 減率乾燥を実測で見積もる手順

5-5. 水系の限界点・仮想点・乾燥点 (PVA水溶液)

5-6. 単溶剤系の乾燥速度 (親水/疎水性と湿度)

5-7. 2成分系の減率乾燥(MEK+トルエン)

5-8. 2成分系の室温乾燥(MEK+シクロヘキサノン)

5-9. 2成分系の溶媒比率 (MEK+EB)

5-10. 2成分系の乾燥挙動

5-11. 共沸混合物の乾燥

5-12. 凝集系の乾燥

5-13. 乾燥過程の粘弾性変化

5-14. 分散粒子の偏析(蒸発 vs 沈降)

5-15. 粒子〜バインダー混合膜の偏析

5-16. クラックを抑制するには

5-17. クラックを抑制するバインダー吸着

5-18. クラックへの溶媒効果

5-19. 低分子量バインダーによる剪断増粘

6. 乾燥設備

6-1. 一般的な構成 (予熱・加熱・絶乾・冷却)

6-2. 乾燥方式と伝熱係数

6-3. 各方式の能力比較

6-4. 乾燥効率の支配因子 (噴流)

6-5. 噴流の距離と減衰

6-6. 多孔板と二次元ノズル (軸対象とスリット)

6-7. 多孔板と二次元ノズルの乾燥計算

6-8. 多孔板の孔形状

6-9. 幅要因 (どこで排気するか?)

6-10. 風の分配と風向 (傾斜ノズル)

6-11. フローティング (浮上系)

6-12. 風の取り回し (直列と並列)

6-13. 風の取り回し (品質と省エネと投資)

6-14. 揮発溶媒の処理 (RTO)

6-15. 揮発溶媒の処理 (溶剤回収)

7. 【演習】 乾燥方式と必要な炉長 (第2ラウンド)

7-1. 並行流

7-2. 二次元ノズル

7-3. 多孔板

7-4. 複合ゾーン

8. 調湿(膜中の残留溶媒の調整)

8-1. 残留溶媒の調整  (絶乾と調湿)

8-2. 調湿時の含水率履歴

8-3. 調湿曲線の表現方法

8-4. 平衡含水率と湿度

8-5. 調湿の支配因子(風速に依存せず)

8-6. 調湿の支配因子(湿度と温度)

8-7. 表面抵抗による簡易評価

8-8. 乾燥炉内の調湿

9. 乾燥起因の面状トラブルと対策

9-0. 分散系の乾燥(偏析・沈降・凝集・クラック)

9-1. ベナールセル(ゆず肌)

9-2. ベナールセル(マランゴニ効果に影響する物性) 

9-3. ベナールセル (マランゴニ数による診断) 

9-4. ハジキ (メカニズム)

9-4. ハジキ (メカニズム)

9-5. クリーン化による異物対策

9-6. クリーン度を維持する換気と風速

9-7. 塗工室の換気が誘発する風ムラ

9-8. レベリングの理論(Orchard 式)

9-9. 塗工室の換気による風ムラのレベリング

9-10. 塗工室のクリーン化に必要な換気頻度

9-11. 工程クリーン度の診断

9-12. 工程クリーン度の診断例

9-13. 塗工室と前後ゾーンの圧力バランス

9-14. 塗工室の気流の数値解析

9-15. 塗工室内の要因と気流のシミュレーション

9-16. 塗工室前後の差圧の影響

9-17. 気流の履歴

9-18. 数値計算結果まとめ

9-19. 乾燥初期の風ムラ (風速の影響) 

9-19. 乾燥初期の風ムラ (風速の影響) 

9-20. 乾燥初期の風ムラ (風温の影響) 

9-21. 風ムラ対策 (遮風)

9-22. 下向き塗工面による風ムラ対策 (密度流)

9-23. レベリング (基板の凹凸ムラ)

9-24. 乾燥中の発泡トラブル対策

9-25. 白化現象の原因と対策

9-26. マイグレーションによる白化(封止層)

9-27. マイグレーションによる白化(鹸化工程)

9-28. 不相溶による白化(表面保護フィルム)

9-29. 延伸による白化(ボイド)


【形式】「対面+Zoom」を使用したHYBRIDセミナー

【テキスト】 冊子を事前送付(直前の送付になります)

受講料:会場受講、オンライン受講:44,000円(テキスト代を含む)

※当日聴講が難しい方には録画配信を行います(期間限定)


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企画・運営:(株)加工技術研究会