コンバーティングテクノロジーセミナー2025(HYBRID)

 

現場力向上を目指す! スキルアップセミナー

Roll To Roll工程におけるフィルム乾燥技術とトラブル対策

〜プロセス設計、スケールアップにおける膜質再現、乾燥ムラ・欠陥の原因と対策〜

 

 講師:AndanTEC 浜本 伸夫 氏
 

開催日:2025年10月17日(金)
時間 10:00〜17:00
会場受講・オンラインライブ受講(HYBRID方式)
会場:TKP飯田橋ビジネスセンター 3階 3B
オンライン:Zoom

※Zoomでリアルタイム受講できるほか、オンデマンド・アーカイブ受講も可能です


【講師の言葉】

 『コンバーテック誌』で連載記事を執筆中の講師が、ペロブスカイト太陽電池やLIB のようなRoll To Roll製造や開発スケールアップの観点で乾燥技術を解説します。このセミナーでは動画や計算ツールによる演習を交え、理論や難解な式を排し、「程々にイメージを持てる丁度良い解説」と、乾燥現象に関連するトラブルとして、風ムラ、ベナールセル、発泡、白化、レベリング、ハジキ等の原因と対策、更に実験室と量産の違い、膜質への影響を解説します。
 セミナーは、オンラインと会場対面のハイブリッドで開催します。


【対象】
フィルムメーカー、コンバーターで塗工〜乾燥工程に携わる技術者、
素材研究からスケールアップにかかわる技術者
初学者からベテランまで幅広い層に新たな知見を提供できる内容です

【講師プロフィール】

1968年 札幌生まれ。北大工学部修士を経て、富士フイルムで塗工開発と製造に従事(21年)。その後、サムスン電子で光学フィルム・バッテリー素材開発(6年)、栗村化学で粘着・離型フィルム開発と製造(2年)、米国Zymergen社でバイオ由来ポリイミド開発(1年)、ミドリ安全でニトリル手袋開発(1年)を経て、2023年から現業。Roll To Rollの「スケールアップ」、「高精度化」、「トラブル対策」を中心に顧客企業へ技術支援する傍ら、セミナー・書籍・ウェブ記事を執筆。2024年3月から対面イベント“小田原RTRセミナー”を主宰。

(Eメール nhamamoto@andantec.jp)

(ウェブサイト https://www.andantecodawara.com)
 

プログラム概要


1. はじめに

 1-1. はじめに

 1-2. 「減率乾燥」と「限界含水率」

 1-3. 塗工と乾燥 (開発とパイロットと量産)

 1-4. フィルムが利用されている製品と構成要素 〜 厚みと層数 〜

 1-5. 塗る 〜 溶かした液を塗る (Dry厚 ÷ 濃度=Wet膜厚)

 1-6. 開発のステップ;実験室とRoll To Rollの違い

 1-7. 日常生活で関わる乾燥

 1-8. 乾燥の3要素

 

2. 乾燥設備と溶媒の寄与

 2-1. 乾燥風の供給方法 (並列・直列、並行流・二次元ノズル・多孔板・浮上系) 

 2-2. 溶媒の寄与 (水と他の溶媒の違い)

 2-3. 乾燥に関わる物性値

 2-4. 塗膜の表面温度は湿球温度 (空気線図)

 2-5. 比エンタルピー(=潜熱+顕熱)

 2-6. 水と他の溶媒との違い (1) 蒸発潜熱 (2) 飽和蒸気圧の温度依存性

 2-7. 等湿球温度線 (1)Lewis近似式 (2) Colburn-Chiltonの相関

 2-8. アントワン式の定数A,B,Cの見積り方法

 2-9. 特殊溶媒の飽和蒸気圧(NMP、DMA、DMF、DMSO)

 2-10. 有機溶剤系のガス濃度:爆発下限界(LEL)基準
 

3. 定率期間と減率期間

 3-1. 限界含水率と固形分濃度

 3-2. 乾燥中の膜内の溶媒移動

 3-3. 減率乾燥の実測 (水〜PVA)

 

4. 乾燥計算

 4-1. 風量の影響

 4-2. 湿度の影響

 4-3. 風温の影響

 4-4. 溶媒の影響

 

5. 減率乾燥速度

 5-1. 簡易計算法 (乾燥係数 N=1/2〜2/3)

 5-2. 減率乾燥を実測で見積もる手順

 5-3. 水系の限界点・仮想点・乾燥点 (PVA水溶液)

 5-4. 単溶剤系の乾燥速度 (親水/疎水性と湿度)

 5-5. 2成分系の減率乾燥(MEK、トルエン、シクロヘキサノン、EB)

 5-6. 共沸混合物の乾燥

 5-7. 凝集系の乾燥

 5-8. 乾燥過程の粘弾性変化

 5-9. 分散粒子の偏析(蒸発 vs 沈降)

 5-10. 粒子〜バインダー混合膜の偏析

 5-11. クラックとバインダー吸着、溶媒効果

 5-12. 乾燥過程の粘弾性変化(レオインピーダンス)

 

6. 乾燥設備

 6-1. 一般的な構成 (予熱・加熱・絶乾・冷却)

 6-2. 乾燥方式と伝熱係数

 6-3. ノズルからの噴流と壁面噴流

 6-4. 噴流の距離と減衰

 6-5. 多孔板と二次元ノズル (軸対象とスリット)

 6-6. 幅要因 (どこで排気するか?)

 6-7. 揮発溶媒の処理 (RTO)

 6-8. 揮発溶媒の処理 (溶剤回収)

 

7. 乾燥方式と炉長計算

 7-1. 並行流

 7-2. 二次元ノズル

 7-3. 多孔板

 7-4. 複合ゾーン

 7-5. 裏面加熱によるバインダー(PVDF)偏析緩和

 

 

 


8. 赤外線乾燥

 8-1. Roll To Roll工程への適用例

 8-2. 赤外線と放射エネルギー (遠赤外・中赤外・近赤外)

 8-3. LIB生産効率の課題

 8-4. 熱風との比較

 8-5. 近赤外線波長制御ヒータ(NIR型)

 8-6. 波長制御 乾燥炉

 8-7. 近赤外線乾燥の事例

 8-8. 赤外線乾燥炉の特許事例

 8-9. レーザー乾燥

 

9.  ペロブスカイト太陽電池のRoll-To-Roll化を目指して

 9-1. スピン塗工と乾燥

 9-2. 理論膜厚(Emslieの式)と近似計算

 9-3. スピン塗工時のプレ乾燥

 9-4. ホットプレート乾燥との比較 (DMF)

 9-5. ホットプレートの加熱助走時間

 9-6. 接触熱抵抗の見積もり(橘・佐野川の式)

 9-7. ホットプレートの乾燥試算

 9-8. 熱風でホットプレート同様に100℃乾燥すると?)

 

10.  調湿(膜中の残留溶媒の調整)

 10-1. 残留溶媒の調整  (絶乾と調湿)

 10-2. 調湿時の含水率履歴

 10-3. 調湿曲線の表現方法

 10-4. 平衡含水率と湿度

 10-5. 調湿の支配因子(湿度と温度に依存し風速に依存せず)

 10-6. 表面抵抗による簡易評価

 

11. 乾燥起因の面状トラブルと対策

 11-1. 分散系の乾燥(偏析・沈降・凝集・クラック)

 11-2. ベナールセル(ゆず肌とマランゴニ効果) 

 11-3. ハジキ (メカニズム)

 11-4. クリーン化による異物対策(換気と風速)

 11-5. 塗工室の換気が誘発する風ムラ

 11-6. レベリングの理論(Orchard 式)

 11-7. 工程クリーン度の診断

 11-8. 塗工室と前後ゾーンの圧力バランスと気流の数値解析

 11-9. 気流の履歴

 11-10. 風ムラ対策 (遮風)

 11-11. 下向き塗工面による風ムラ対策 (密度流)

 11-12. 乾燥中の発泡トラブル対策

 11-13. 白化現象の原因と対策

 11-14. マイグレーションによる白化(封止層・鹸化工程)

 11-15. 不相溶による白化(表面保護フィルム)

 11-16. 延伸による白化(ボイド)

 

12. 異物トラブルと対策

 12-1. オンラインの異物検知

 12-2. 各タスクで課題となる品質不良

 12-3. 異物のサイズと種類 (人由来・基材・設備由来)

 12-4. クリーン度の分類と歴史 (ISOとUS規格)

 12-5. 半導体工場との違い (作業者の介入とフィルム搬送)

 12-6. クリーン度とフィルター(HEPA/ULPA)

 12-7. クリーンルームの床構造と配色

 12-8. クリーンルームへ入室の前段取り(エアシャワーとクリーンマット)

 12-9. 顔の保護 (マスク・眼鏡)とクリーンウェア (繊維・除電・着付け)

 12-10. インナーウェア (肌着・靴下)と手袋 (内・外)、靴 (靴底汚れ)

 12-11. 異物付着状態と除去方式

 12-12. フィルムが帯電し得る工程

 12-13. 表面抵抗と帯電列

 12-14. 帯電を逃す方法 (アース・表面抵抗・自己放電)

 12-15. 異物の特定(形態・分析・構造)

 12-16. 工程分離

 12-17. トラブル時のアクション
 


■スケジュール
日程:2025年10月17日(金)
会場:TKP飯田橋ビジネスセンター3階 3B/オンライン配信(Zoom)
時間:10:00〜17:00
※当日聴講が難しい方には録画配信を行います(期間限定。録画配信のため質疑応答はありません。)

■受講料
1名様 44,000円(税込、オリジナル予稿集代込)


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企画・運営:(株)加工技術研究会