【半導体】Patentix、6インチSi基板上でルチル型二酸化ゲルマニウムの成膜に成功

 Patentixは、ジェイテクトサーモシステムと共同で6インチ対応の新規成膜装置を開発し、次世代パワー半導体材料のルチル型二酸化ゲルマニウム(r-GeO2)の薄膜を6インチSiウエハ上に成膜することに成功した。
 r-GeO2は、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)よりも大きなバンドギャップ(4.68eV)を有する次世代のパワー半導体材料であり、電力変換に伴うエネルギー損失の低減が期待されている。
 r-GeO2パワーデバイス実用化には、パワーデバイスの生産ラインに適合する6インチ以上の大口径r-GeO2基板の実現が必要不可欠。同社は、r-GeO2の成膜に適した独自の成膜手法である「PhantomSVD法」を開発し、TiO2基板全面に単結晶r-GeO2膜の成膜を実現するなど、成膜技術の研究開発を進めてきたが、PhantomSVD法では基板の大口径化は困難であった。
 そこで同社では、基板の大口径化に向けて、成膜装置の要素技術の開発を行い、大口径基板での成膜に適した新しい成膜手法である「チムニー法」を開発。また、2025年より、産業用熱処理装置メーカーであるジェイテクトサーモシステム(本社:奈良県天理市)と共同で、チムニー法を採用した6インチ基板対応成膜装置を開発・製造した。このたび、開発した6インチ基板対応の成膜装置を用いて6インチSiウエハの上にr-GeO2薄膜を成膜することに成功した。

6インチSi基板上にr-GeO2薄膜を成膜したGeO2 on Si基板の外観像

 Si基板上に成膜されたr-GeO2膜の表面は鏡面となっており、成膜されたr-GeO2膜表面が滑らかであることが分かる。また、基板面内に目立った干渉縞が見られないことから、基板面内で比較的均一な膜厚分布での成膜が実現できたと考えられる。
 従来のPhantomSVD法では、装置および手法の制約から最大でも20mm角サイズの小片基板上でのr-GeO2膜の成膜しか実現できていなかった。今回開発した成膜装置によって、パワーデバイスの量産に必要な6インチサイズの基板の実現に大きく前進した。
 Patentixは早期市場投入を実現するために、ジェイテクトサーモシステムと共同で6インチGeO2 on Si基板のr-GeO2膜の高品質化を進め、2027年には6インチGeO2 on Si基板のサンプル試作を実施する予定。
 なお、今回報告した成果の一部は「令和7年度滋賀県中小企業新技術開発プロジェクト補助金」の支援を受けて実施されたものである。

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