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2025/3/3
【インモールドコーティング】内浜化成と日本ペイントホールディングス、自動車向け熱可塑性樹脂大型外装部品向け技術を共同開発
内浜化成と日本ペイント・オートモーティブコーティングス（NPAC）は、国内で初となる自動車向け熱可塑性樹脂大型外装部品の型内塗装（インモールドコーティング）技術を共同開発した。
同技術は、樹脂成形と表面塗装を一工程で行う方法。金型内で樹脂成形をした後塗料を注入し、成形品の表面に塗膜を形成する。これにより従来の塗装方法で必要とされた「塗装ブース」や「塗装後の乾燥炉」が不要となるため、工程短縮及びCO2排出量60%削減（内浜化成計算値）と、VOC排出量ゼロ化に寄与する。
また型内塗装で用いる塗料は、NPACが開発した無溶剤型で、99％以上のVOC削減に成功し、環境にも配慮したうえで従来塗装の品質を担保している。
同技術は金型転写により塗膜を形成することから、一般的なスプレー塗装に比べ高い表面平滑性を実現する。また、型転写による意匠再現性の高さにより、外観の不具合発生率が減少し、生産性向上にも寄与します。加えて、スプレー塗装では実現できないような幾何学模様やエンボス風加工などのデザインを精密に施すことも可能。ナノレベルの微細な凹凸を忠実に転写できるため、構造発色による虹色意匠発現など従来のスプレー塗装では困難とされていたデザインも実現可能となり、自動車のデザインに新たな可能性をもたらすことができる。
また、この技術の実現を支えるため、塗料は樹脂や触媒の特性を最適化し、型内塗装プロセスと連携して改良を進めた。これにより、高精度なデザイン表現と効率的な製造プロセスを両立する革新的な技術が誕生しました。今後、各自動車メーカーに対して技術提供を進め、量産車への適用を目指していく。
【型内塗装について】
- 開発背景
持続可能な開発目標（SDGs）の実現に向け、自動車業界においても環境負荷の低減が求められている。内浜化成及びNPACでは、新たな環境配慮型の塗装方法の開発に取り組んでおり、その課題解決に向けた挑戦を続けてきた。
塗料の性能向上と生産性を最大限に引き出す工法の確立を目指して試行錯誤を重ねており、量産できるレベルに到達するまでに数年かったが、このほど「自動車向け熱可塑性樹脂大型外装部品の型内塗装」の量産化に対応できる工法の確立に成功した。 - 特徴
①型内塗装技術 内浜化成の型内塗装技術は、成形金型内に塗料を注入し成形品の表面に塗膜を形成する塗装方法。従来のスプレー塗装では、塗着効率は約70％であったが、今回開発した型内塗装技術は、金型内に直接塗料を注入することで、塗着効率100％を実現した。
また、従来の塗装方法は大規模な乾燥炉が必要で、乾燥時間に約1時間を要していたものを、型内塗装では金型の中で塗装が完結するため乾燥炉が不要となる。かつ、塗料の硬化速度を1分以内に速めることで、成型時間を短縮でき、CO2削減にも大きく寄与する。
②塗料技術 NPACが型内塗装用に開発した無溶剤型塗料は、VOC含有量を極小化し、1リットルあたりわずか4g以下という低VOCを実現。さらにCO2排出量を約60%削減することが見込まれ、作業環境の改善と周辺環境への配慮がなされている。
また、NPACが長年培ってきた自動車用塗料のノウハウを駆使し、従来のスプレー塗装と同等以上の性能を実現し、過酷な環境下でも長期間にわたり製品の美観と性能を維持することができる。
＜型内での塗装工程＞
＜従来塗装との工程比較＞
＜蛍光灯映りによる外観品質比較＞
＜デザイン金型による様々な意匠転写＞
参考動画：型内塗装 塗膜の虹色発色見本（https://www.youtube.com/watch?v=KpcVGhlfXjo）
内浜化成およびNPACは、本技術の導入を進め、自動車製造工程におけるさらなる環境負荷低減への貢献に取り組む。
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