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2025/8/7

【サーマルプリントヘッド】京セラ、POSレシート用途向け「TPAシリーズ」開発。印字速度350mm/secの高速領域において高画質印字を実現

 京セラは、コンビニエンスストアや飲食店などの小売業や接客業を中心に広く活用されているPOSレシート用途向けに、印字速度350mm/secの高速領域で高画質印字を実現したサーマルプリントヘッド「TPAシリーズ」を開発、2025年8月末より本格的に量産を開始する。

POSレシート用途向けサーマルプリントヘッド
「TPAシリーズ」

 近年、電子マネーや決済アプリなどキャッシュレス決済の急速な普及に伴い、決済方式は多様化している。また、飲食店やコンビニエンスストア、ドラッグストアなどの小売業や接客業では、人件費や維持費の削減のためセルフレジの導入が進んでおり、業界全体で省人化および業務効率化の動きが高まっている。小売業や接客業を中心に広く利用されているPOSシステムにおいても、クーポンの発行やポイント情報など、レシートへの印字情報量は増加傾向にある。このような背景から、インクやトナーが不要でメンテナンスがしやすく、大量の情報を迅速かつ正確に印刷できるサーマルプリンターの需要が高まっており、基幹部品であるサーマルプリントヘッドには、増加する印字情報量に対応可能で、高速かつ高画質な印刷を実現する性能が求められている。
 製品の特長は次の通り。
(1)印字速度350mm/secの高速領域において高画質印字を実現
 京セラ独自の発熱体形成技術により、画質を大幅に改善。これにより印字速度350mm/secの高速領域においても、熱応答性に優れ文字の書出しから書き終わりまでが明瞭で、より高精細で高画質な印字を実現。

(2)ヘッド取り付け位置の許容範囲拡大を実現
 高い印刷品位を得るために、従来のヘッド構造を進化させ、発熱体からの熱伝導を向上したことにより、ヘッド取り付け位置の許容範囲拡大を実現。これにより印字幅全域で多種多様な印刷媒体に対して、安定した高画質印字が可能となった。

(3)耐環境性能に優れ、摩耗が少なく長距離走行を実現
 同社独自の成膜技術により耐腐食性および耐摩耗性を向上させた。その結果、高い堅牢性を実現し、摩耗が少なく、長距離走行印字を可能とした。

(4)Blue4est紙(Koehler Paper社製)にも対応し、優れた印字性能を実現
 近年、フェノール系化合物などの有害物質を含まないフェノールフリー感熱紙や、Koehler Paper社製のBlue4est紙など、環境に配慮した用紙が普及している。Blue4est紙は化学発色剤や顕色剤を使用していないため、必要な原料である古紙として廃棄できる。京セラのTPAシリーズは、既に数々の環境賞を受賞しているBlue4est紙にも対応しており、さまざまなメディアや印刷ニーズに対応している。

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コンバーティングプロダクツ&テクノロジー

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