アーカイブ情報
2025/1/8
【バイオマス】ELEMUS、漆と木粉を原料とした100% 植物由来の成形体技術 URCYL、メゾン・エ・オブジェに出展
天然素材が持つ力を独自の論理で研究し、新たな解釈をすることで新素材の開発を行うELEMUS(エレムス)は、2025年1月16日(木)〜20日(月)の期間、フランス、パリで開催される世界最大級のインテリアとデザイン関連の国際見本市メゾン・エ・オブジェに出展し、同社が開発する漆と木粉のみを原料とした100%植物由来のバイオマス成形体技術「URCYL(アーシル)」を欧州へ向けて初披露する。

日本古来の天然素材、漆から開発された「URCYL」
ELEMUSは持続可能性と再⽣可能性を中⼼に掲げ、これまでの事業モデルから脱却して、環境負荷を最⼩限に抑えつつ社会に貢献することを⽬指している。世界各国の素材メーカーがバイオマスプラスチックの開発を行う昨今、同社では、日本が古来より活用してきた天然素材「漆」に着目。漆と独自技術で微粉砕した木粉(主に間伐材や端材などを活用)を用いた100%植物由来のバイオマス成形体技術「URCYL」の開発に成功した。その技術は、日本やEUで特許を取得している。
ウルシノキの自社栽培へ着手
漆は日本において縄文時代より活用され、漆器の製造技術は独自に発展を遂げた。また、かつて日本国内各地でウルシノキが栽培されていたが、戦後、石油化学の発展に伴い減少の一途をたどった。ELEMUSは、大学や研究機関と連携し自社でウルシノキの栽培に着手、これまで不可能とされていたウルシノキの人工発芽に世界で初めて成功した。現在、その苗を愛知県の中山間地へ植樹し、栽培をすすめています。ウルシノキは発芽後15年程度で、樹液を採取できるようになることから、⻑期的に安定した資源供給が可能であり、私たちが生きている時間軸の中で循環させることが可能である。また、ウルシノキは他の樹木に比べて成長が早いことから、CO₂の吸収量(固定化)が多いと考えられており、環境保護の観点からも評価されている。
■URCYL について

URCYL(アーシル) の特徴
石油由来プラスチックの一種と同じ化学構造を持つウルシノキの樹液「漆」と、主に端材や間伐材を原料に粒度をカスタマイズできるELEMUSの独自技術で微粉砕した木粉を使用し、東京都立産業技術研究センターとの特許技術をベースに発展させた技術を用いて製造される「URCYL」は、植物資源のみを原材料にした100%バイオマス成形原料。ABS 樹脂とほぼ同等程度の物理的強度を持ち、抗菌性、抗ウイルス性を併せ持つ、耐熱性の高い素材である。 食洗機の使用も可能なため、食器をはじめとする生活用品や、照明器具、工業製品の部品としてなどさまざまな活用が見込まれる。

ウルシノキの自社栽培
世界最古といわれ、およそ9000年前のものとされる漆を用いた副葬品が日本国内で発見されたことからも、漆は日本において縄文時代より活用されていることが証明されており、その後、漆器の製造技術は独自に発展を遂げた。中世では日本から輸出された漆器が「Japan」と呼ばれ、現在でも漆の対訳として「Japanese lacquer」という言葉が残っているほど、漆は日本人の生活に欠かせない素材の1つであった。かつて日本国内各地でウルシノキが栽培されていたが、戦後、石油化学の発展に伴い減少の一途をたどり、現在ではおよそ9割が輸入に頼っている。
ELEMUSは、大学や研究機関と連携し自社でウルシノキの栽培に着手、これまで不可能とされていたウルシノキの人工発芽に世界で初めて成功した。ウルシノキは分根させた苗を植樹し造林することが一般的だが、種子から発芽させた苗で増やすことで、より環境に順応した個体を育成することが可能となる。ウルシノキは発芽後15年程度で、樹液を採取できるようになることから、⻑期的に安定した資源供給が可能であり、私たちが生きている時間軸の中で循環させることが可能。また、ウルシノキはCO₂の吸収量(固定化)が多いと考えられており、環境保護の観点からも評価されている。
現在、当社では年間約5,000本のウルシノキの苗を栽培し、行政や地元住民、NPOと協働し、愛知県の中山間地へ植樹を行い、原料の国内生産へむけて栽培、研究を進めていく。
今後は、欧州での植樹、栽培を実現させるべく研究を重ねるとともに、漆を効率よく採取する技術の開発を目指している。
ブランドサイト ※2025年1月14日(火)オープン予定
urcyl.com
- カテゴリー
- news
- コンバーティングニュース

