アーカイブ情報

2025/8/7

【フレキシブルコンテナ】太陽工業、「導電EVAタイコン」を独自開発

　大型膜面構造物（テント構造物）や土木・物流資材などを手がける太陽工業は、独自のランニングタイプの導電性フレキシブルコンテナバッグ開発に成功した。このバッグは製品名を「導電EVAタイコン」として、2025年８月よりレンタルならびに販売を開始すつる。

　「導電EVAタイコン」は、トナーバインダーや小麦粉、ミルクパウダーなど微粉体を輸送する物流資材。微粉体の輸送は、粉塵爆発の危険があるため静電気が発生した際に速やかに除電されるバッグが必要となる。「導電EVAタイコン」は、バッグ内面をカーボンを含有したPE（ポリエチレン）でラミネートすることで、静電気を速やかに除電できる構造になっている。微粉体を充填・排出する時には、バッグにあるアース端子にアース線を接続することで、静電気の漏洩を防ぐ（写真はアース端子を接続した導電EVAタイコン）。

　これまで粉塵爆発の危険性がある微粉体の輸送は、クロスタイプと呼ばれる1回から数回だけ利用できるバッグが多く使われてきた。今回、60回洗浄（60回の洗浄を想定する場合、通常10年程度の使用）しても導電性能が維持できるランニングタイプのバッグを開発・運用することで、使い捨てをしない環境に配慮した微粉体の物流環境を提供する。

　なお、同社は2025年7月に三菱ケミカルインフラテックの導電フレキシブルコンテナ製品（旧ダイヤテナーEC）を譲り受けた。今後、ランニングタイプの導電性フレキシブルコンテナバッグ2製品を荷主のご要望に応じて提供する。

導電EVAタイコンの性能試験

　太陽工業では、「導電EVAタイコン」の本格導入に向けて昨年から洗浄試験や充填・排出の試験、一部顧客による試用試験（フィールドテスト）を続けてきた。結果、60回の洗浄や充填・排出を行っても漏洩抵抗値は国内、国際規格*の基準値内に収まっており高い品質を達成できている。

*国際規格：IEC-61340-4-4
*国内規格：JIS C 61340-4-4

導電EVAタイコンの概要

太陽工業の物流事業について

　太陽工業は1963年、合成樹脂や化学品、食品、肥料などの粉体・粒体の物流に適したフレキシブルコンテナバッグの開発に成功し、物流事業を開始した。同初は飼料輸送に使用されていたが、次第に合成樹脂、化学品、食品などへと用途が拡大し、現在に至るまで粒体バッグ市場をリードしている。製造だけでなく、洗浄やメンテナンスを通じて再利用可能なランニングタイプを強みとし、環境負荷の少ない物流システムとして国内で広く活用されている。

カテゴリー

コンバーティングプロダクツ＆テクノロジー