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2025/7/24
【再生医療】ジャパン・ティッシュエンジニアリングと帝人リジェネット、「再生CDMO補助金」に共同採択
帝人において再生医療事業を展開する、ジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC)および帝人リジェネットはこのたび、経済産業省が実施する「再生CDMO補助金」*1に共同で採択された。今後、両社はこの支援をもとに、両社が連携して展開する再生医療CDMO*2事業に関する施設および設備の拡張や、人材育成の仕組み構築などに向けた数十億円規模の投資を2027年までに実行し、国内外からの再生医療等製品の受託数増加に向けた事業基盤の強化を推進する。
*1 正式名称「令和6年度補正再生・細胞医療・遺伝子治療製造設備支援事業費補助金」
*2 再生医療に関する開発製造受託機関
「再生CDMO補助金」は、我が国に優れた研究成果があり、今後の市場拡大が見込まれる再生・細胞医療・遺伝子治療製品に関するCDMO事業を日本の輸出産業と
するため、受託製造拠点の整備、自動化装置や品質管理システムの導入に加え、国内で不足している製造人材の育成を経済産業省が支援する事業。
帝人は、2021年に日本の再生医療のパイオニアであるJ-TECをグループ会社として迎えることで再生医療事業に参入。2023年には再生医療CDMOを専業とする帝人リジェネットを設立し、再生医療等製品の製造販売事業と再生医療CDMO事業を両輪として事業拡大を図っている。
再生医療CDMO事業としては、帝人リジェネットのCDO拠点「柏の葉ファシリティ(千葉県柏市)」およびCMO拠点「岩国ファクトリー(山口県岩国市)」、国内最多の上市実績を有するJ-TEC本社拠点という各拠点の密な連携に加え、再生医療等製品の上市に必要なサービスをワンストップで提供可能な、国内外の企業およびアカデミアとの連携体制を強みとして、国内外から広く受託案件を獲得している。
両社は、それぞれが有する事業基盤を強化し、さらなる連携を図ることによって、今回の支援事業が目指す「創薬力の強化」および「受託産業の輸出産業化」に大きな
役割を果たすことができると考え、「再生医療CDMO事業における新たなビジネスモデルの創出」の事業計画をもって応募し、このたび採択されるに至った。
このたび採択された補助金をもとに、以下のような製造拠点の拡張や生産性の向上、高度人材に関する取り組みを実施し、再生医療CDMO事業の受託キャパシティの拡大と、海外からの開発案件の受託体制を強化する。
(1)J-TECは、2027年度までに、研究施設の一部を再生医療等製品の製造や品質管理に関する国の基準(GCTP)に準拠した製造施設として改築する。さらに、製造や品質管理の工程にAIを導入することで設備の自動化やスキルレス化を図る。
(2)帝人リジェネットは、現在運用中の「柏の葉ファシリティ」では実験室の増設、現在拡張工事中の「岩国ファクトリー」では細胞加工設備(CPC)*3および実験室を増設する。
(3)製造や品質管理に関わる人材不足の解消と、海外案件にも対応可能な高度な人材育成のために、J-TECおよび帝人リジェネットが、作業者の属人性から脱却する高水準な人材教育プログラムの作成と、人材教育に関する場を整備する。
*3 CPC : Cell Processing Center の略。再生医療や細胞治療に用いる細胞を培養・加工する専用のクリーンルームを備えた施設。

帝人は、J-TECおよび帝人リジェネットの事業基盤拡大と連携強化を通じて国内外の開発案件を獲得し、2030年度における再生医療事業の売上高目標200億円の達成
を目指す。
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