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2025/3/31

【自動車向け再生プラ】資源循環システムズ、大栄環境、ニフコ、BIPROGY、八木熊、動静脈連携によるXtoCarプロジェクトを開始

 資源循環システムズ大栄環境ニフコBIPROGY八木熊は、動静脈連携による自動車向け再生プラスチック供給システムを構築する「XtoCar(エックス トゥ カー)プロジェクト」を2025年3月から開始した。

 「XtoCarプロジェクト」は、製造などを行う産業(動脈産業)と廃棄物のリサイクルや適正処理を行う産業(静脈産業)が連携し、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築するもの。「XtoCarプロジェクト」では、廃プラスチックの選別、加工、評価、シミュレーション、そして最終的な製品化に至るまでの一連のプロセスを統合的に推進し、持続可能な資源循環型社会の実現を目指している。

【背景】

 欧州ELV規則(注1)の強化により、自動車業界では樹脂リサイクルの規制がより厳格化し、従来の自動車由来の廃プラスチックでは再生材の供給が追いつかない状況になっている。日本国内では、2031年までに再生材を用いて自動車に必要なプラスチックの15%以上を賄う目標が設定され、2万5000トン以上の再生材の確保が求められており、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する必要性が高まってきている。   

【概要】

 「XtoCarプロジェクト」は、各社がそれぞれの専門性を生かすことで、非自動車由来の廃プラスチックを自動車部品に再生する新しいリサイクルシステムを構築する。このリサイクルシステムにより、非自動車由来の廃プラスチックを有効活用することができ、資源循環を通じた持続可能な社会の実現に貢献する。

各社の役割

資源循環システムズ    「iCEP PLASTICS」(注2)の運営を通じたプロジェクト全体の進捗管理とサプライチェーンの透明性確保
大栄環境廃プラスチックの収集と選別 収集した廃プラスチックをリサイクル可能な素材へ加工
ニフコ再生材の自動車部品としての使用可能性の評価と性能基準の確認
BIPROGYシミュレーションを通じた最適な再生材の導出 再生材のトレーサビリティシステムの構築
八木熊廃プラスチックの高品質な再生材への加工とグレード開発

【今後の取り組み】

 同プロジェクトは、自動車業界向けの再生材の量産を目指しているとともに、この新しいリサイクルプロセスは、自動車業界にとどまらず、他の産業にも応用可能。また、「iCEP PLASTICS」を通じた資源の有効活用を加速し、持続可能な社会の実現に貢献していく。

注1:欧州委員会は、2023年7月に現行のELV指令(End of Life Vehicle 指令)等を改正する「自動車設計の循環性要件及び廃自動車管理に関する規則案」を公表。同規則案には、自動車の再生プラスチック最低含有率の義務化(発効から72カ月後以降、新型車両におけるポストコンシューマ材の再生プラスチック25%以上、そのうち25%以上は使用済自動車由来の再生プラスチックを含む)等が盛り込まれた(2025年1月29日欧州議会による修正案を示したドラフトレポートが公表)

注2:動静脈×デジタルのパートナーシップにより、廃プラスチックの回収・再生樹脂化・成形加工・製品化・リサイクルプロセスのデジタル化をワンストップで行い新たなリサイクルスキームを実現する
https://icep-plastics.rcs-dx.jp/

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