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2025/2/10
【LCP】住友化学、欧州・化学大手サイエンスコ社の液晶ポリマー事業買収
住友化学は、ベルギーに拠点を置くSyensqo SA/NV(以下、サイエンスコ社)の液晶ポリマー(LCP)樹脂事業を買収した。住友化学は、今回買収によってサイエンスコ社の製品・技術を取り込むことで、新たな市場ニーズに細やかに対応できる体制を強化し、ICT用途やモビリティ用途を中心にLCP事業のさらなる拡大を目指す。
LCPは、スーパーエンジニアリングプラスチックスの一種で、耐熱性や流動性、寸法精度に優れるなどの特長を有し、PCやスマートフォンなどに使用される電子部品をはじめ、幅広い製品に用いられている。住友化学は、これまで顧客の要望に合わせたポリマー材料やその応用技術の研究開発を強みとし、そのトップクラスの技術力を生かしてLCP事業を拡大してきた。
近年では、AI普及などに伴う電力需要増やEV対応のパワーデバイス、次世代高速通信対応のミリ波レーダー、データセンタ向けの高速大容量コネクタの素材として注目され、市場の新たな成長が期待されている。
サイエンスコ社が手掛けるLCPは、とりわけ高耐熱性に特長を有しており、住友化学は同社のラインアップ、技術を取り込むことで、多様な顧客ニーズにきめ細かく対応することが可能となる。また、同社が有するLCP開発パイプラインおよび蓄積した生産技術を活用することで、ICTやモビリティのみならず幅広い産業分野の製品ラインアップの拡充につなげていく。
住友化学は、今後も成長が見込まれるLCP事業を重点事業の1つと位置付け、他社とのさまざまな協業も選択肢として事業拡大を図り、2030年代前半に現在の2倍の売上収益を目指す。
<サイエンスコ社の概要>
会社名:Syensqo SA/NV※
所在地:ベルギー、ブリュッセル
設立年月:2023年12月
CEO :Dr. Ilham Kadri
事業内容:スペシャリティケミカルの研究・開発・製造・販売
※2023年、Solvay S.A.からのスピンオフにより設立
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