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2025/2/22
【SAF】出光興産の「HEFAプロセスを用いた持続可能な航空燃料の製造設備設置および供給体制構築事業」、経済産業省のGX経済移行債を活用した投資促進策に採択
出光興産は、経済産業省のGX経済移行債※1を活用した投資促進策に、徳山事業所(山口県周南市)における「HEFA※2プロセスを用いた持続可能な航空燃料(SAF)の製造設備設置および供給体制構築事業」(以下「本事業」)を提案し、2025年2月20日付で採択された。本事業の総事業費の一部がGX経済移行債によって充当される。補助金の主な使途は、徳山事業所におけるSAF製造設備(年産25万kL)の建設となる。
出光興産は、徳山事業所において2028年度までにSAFの生産を開始することを目指しており、本事業を通して製造設備の建設と国内供給体制の構築を行う。同社はSAF製造設備の2025年度内の最終投資決定に向け、現在、基本設計を行っている。原料には廃食油等の廃棄物や、大豆油、将来的にはポンガミア等の油糧植物といったGHG(温室効果ガス)削減率の高い複数の油脂を活用する計画。事業遂行へのコミットメント、事業戦略、エネルギー供給事業者として原料調達から製造・販売までの一貫したサプライチェーンの実現に向け取り組みを進めていることなどが評価され、このたび採択された。
出光興産は、エネルギーとカーボンニュートラルソリューションのメインプレイヤーになるべく、事業構造改革を推進している。その遂行のための基盤として、化石由来のエネルギーを生産する製油所・事業所をカーボンニュートラル燃料・製品の供給拠点であるCNX(Carbon Neutral Transformation)センターへと進化させていく。
SAF事業は、同社が2030年に向け優先的に取り組む重点4事業のうちの1つで、年間50万kLの国内供給体制を構築することを目指している。長期にわたって安定的かつ経済的にSAFを製造・供給するためには、原料の調達方法や製造方法の多様化が重要と考えており、徳山事業所でのSAF製造は不可欠な施策であると位置づけている。

航空業界の脱炭素に貢献するため、政府の支援を受けながら、SAFの早急な社会実装に向け着実に取り組みを進めていく。
※1 GX済移行債
2050 年の温室効果ガス排出実質ゼロを実現するため、新たな市場・需要の創出に効果的につながるよう、日本政府が発行する国債。民間事業に対する20兆円規模の先行投資支援が計画されている。
※2 HEFA(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids)
植物油などを水素化処理して得られる水素化エステル・脂肪酸からSAFを製造する技術・プロセス。SAFの国際規格「ASTM D7566 Annex2」として認証されている。
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