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2025/5/23

【X線分析装置】リガク、山梨工場の新棟竣工

　リガク・ホールディングスのグループ会社であるリガクは、主力生産拠点である山梨工場に、新たな製造棟（以下「新棟」）を5月23日に竣工した。同施設は、リガクのグローバルな事業成長と製品需要の拡大を見据え、生産体制の中核を担う工場として整備するもの。

■ 生産能力約2倍へ──成長を支える戦略的拠点

　近年、国内外でX線分析装置のニーズが急速に高まっている。こうした需要拡大に応えるため、リガクは今回の増築を、2つの主要な目的のもと実施した。

　1つは、「半導体・電子部品」「電池・電池材料」「ライフサイエンス」などの成長著しい分野に向けて、多目的X線分析装置の安定した供給体制をさらに強化すること。もう1つは、リガク製品全体を支える「要素部品」の生産能力を大幅に高めること。要素部品は、リガクのコア技術の結晶であり、競争力の源泉でもある。

　新棟完成により、これらの製造キャパシティ（台数ベース）を2027年までに約2倍へと引き上げる計画。これは、大阪工場や外部パートナーの協力による生産スペースの拡張や、リードタイム短縮によるサプライチェーン強化を通じて実現を目指すもの。

■ 山梨工場：一大集約拠点として進化

　新棟の完成により、山梨工場の延床面積は従来の約8,500㎡から約23,000㎡、約2.7倍と大幅に拡大した。山梨と東京に分散していたX線回折装置の製造・組立・出荷工程を広大な山梨工場に集約し、業務効率の飛躍的な向上と高品質な装置の安定供給を実現する。

　さらに、生産工程の自動化実証を進め、効率と高品質を両立させたスマートファクトリー化にも取り組む考えだ。

 ■環境配慮型の「自然共生工場」へ

　新棟の建設では、CO₂排出量の削減に配慮した工法を用した。また、高効率な設備や太陽光発電を導入し、エネルギーのムダを最小化。環境負荷を低減した「自然共生工場」として、持続可能な社会の実現にも貢献していく。

　新棟の稼働開始は2025年6月初旬を予定しており、順次体制を強化していく。

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