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2025/3/15

【アクセラレータープログラム】a.s.ist、リコー主催の「TRIBUS 2024」にて審査員賞特別賞受賞。樹脂判別ハンディセンサーや実験データ解析の効率化・高精度化を実証

 a.s.istは、リコーが主催するアクセラレータープログラム「TRIBUS 2024」成果発表会(Investors Day)において、Spiral Innovation Partnersのジェネラルパートナー 岡 洋氏より「審査員賞特別賞」を受賞した。

TRIBUS 2024 プログラムについて
「TRIBUS 2024」は、リコーグループのリソースを活用し、社内外から集まったイノベーターとの共創を通じて新たな価値を創造する統合型アクセラレータープログラム。a.s.ist は、スタートアップ企業の1社として採択され、2024年9月下旬~2025年2月上旬までの約5カ月間にわたり、リコー事業部や関係企業との連携を進めてきた。

取り組み内容と成果
 本プログラム期間中、a.s.ist は以下2点を中心に技術開発・実証実験を行い、大幅な効率化を実現した。
(1)樹脂判別ハンディセンサーの混合物判定アルゴリズムの進化
 樹脂判別ハンディセンサーには混合比率モード(2種、3種)が搭載されており混合物の材料比率を算出することが可能。一方でユーザーが通常の樹脂判別モードと混合比率モードのどちらを使用すればよいか判断するのが難しいという場面があった。そこでa.s.istは、独自の判定アルゴリズムを用いたデモソフトを開発し、樹脂の種類だけでなく、混合物である可能性、およびその樹脂成分の数についても同時に判定することに成功した。これにより、ユーザーはモードの切り替えを気にすることなく、樹脂判別と混合比率算出が可能となり、センサーの利便性向上が期待される。
(2)実験データの自動解析(XPS・FT-IR)
 従来の解析ソフトでは、ピーク数や参照するデータベースの組み合わせを物理的な背景に基づき人の手で設定する必要があった。これに対し、a.s.istはピーク数やデータベースの組み合わせを自動推定・解析する独自アルゴリズムを用いたデモソフトを開発し、実証実験を実施した。
 その結果、解析に要する時間が従来の半分になることが示されした。また、a.s.istの自動解析アルゴリズムは専門的な知識を必要としないため、教育コストの削減にもつながることが示唆された。

 これらの成果により、プラスチックのリサイクル分野などでの樹脂特定や実験データ解析の効率化が期待され、審査員からは「実用性の高さと今後の発展可能性を高く評価」され、審査員賞特別賞を受賞した。

今後の展望
 本プログラムで得られた知見を活かし、さらなる樹脂判別アルゴリズムの高精度化や新たな自動解析機能の開発を継続していく。a.s.ist は、データ解析技術を通じて産業界の課題解決に貢献し、リコーグループをはじめとしたパートナー企業との連携を強化しながら、新たな社会価値の創出を目指す。

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コンバーティングニュース

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